「夜の散歩」 永井 りつ子
2024年06月24日

 久しぶりに帰省した息子が、夜の遅い時間に散歩に行くといったので、私の心配癖が顔を出し、一緒に行くことにしました。彼の顔を見るとニコニコして私を見ています。高校生になった頃から、一緒に出かけることを嫌がりだした息子です。コロナ禍で大学生になった彼も、もう4年生になりました。サークル活動もままならない中、掛け持ちした一つが写真部でした。今回は部展に出すための写真を撮りに帰ってきたのでした。

 その日はあまり天候の良くない寒い日でした。歩きながら見えてきた街灯や看板などで立ち止まってはシャッターを切っていきます。雪よけ透明カバーのついた信号機も珍しいようです。雨に打たれひっそりたたずんでいるポストなども絵になるのです。一番撮りたかった北海道神宮の第一鳥居では、車の来ないタイミングを見計らって、正面から見上げた形で何枚か写真を撮っていました。気に入ったようでスマホにもおさめ、友人に送っていました。

 写真を撮っている間のうれしそうな顔、穏やかな表情、真剣なまなざし。息子の意外な一面を発見しました。道の悪い所で注意を促していた私のほうが転んでしまった時、笑いながら当たり前に手を差し伸べてくれました。そのスマートな対応に、私のほうが戸惑ってしまいました。いつの間にかこのような気遣いができるようになったのかと、うれしくも思いました。決して大柄ではない彼の手が、すごく大きく頼もしくみえました。

 一時間程の夜の散歩でしたが、私も心の中で何枚かシャッターを切っていました。

投稿者健康管理センター部長 永井 りつ子
「琵琶湖より愛をこめて」 田川 晃司
2024年06月17日

昨年よりお世話になっております小児科の田川と申します。関西出身、旭川医大を卒業してから十数年関西(京都・滋賀)で過ごしました。そのため (少し気にしてはいますが)関西弁がなかなか抜けません。特にイントネーションはなかなか合わせるのが難しいですね。例えば「保育園」は北海道では「ほ()いくえん」、関西では「ほいく()えん」と発音します。無意識に話してしまっているので、わからなかったら遠慮なくおっしゃってくださいね。

さて、昨年「翔んで埼玉〜琵琶湖より愛をこめて〜」が上映されました。10年過ごした滋賀が舞台でしたので上映前からとても楽しみにしていました。滋賀で過ごした方にはよくわかる細かいネタもたくさんあって、とてもおもしろかったです。「琵琶湖の水を止める」というフレーズがありますが、かつて大雨の時に本当に琵琶湖の水を止めたら自宅のそばにあった琵琶湖の水位がみるみる上がり、あふれるのではとヒヤヒヤしたこともありました。地元ネタが多いので、万人受けするかと言われると微妙かもしれませんが...。京阪神のイメージが強すぎて滋賀は琵琶湖以外何もないイメージかと思います。滋賀にはひこにゃんで有名な彦根城、天台宗総本山の比叡山延暦寺(京都の観光名所と言われますが、本当は滋賀にあります)、忍者の里(甲賀)、焼き物の産地(信楽)など一度は行ってみていただきたい場所がたくさんあります。関西にお越しの際は、少し足を伸ばしてみてはいかがでしょうか?

 かつて滋賀には日本三大商人のひとつ、近江商人がいました。近江商人の精神に「売り手によし、買い手によし、世間によし」の「三方よし」というものがあります。その意味は「商いというものは、売り手も買い手も適正な利益を得て満足する取引でなければならない。そして、その取引が地域社会全体の幸福につながるものでなければならない」とされています。私も患者さんにとっても、サポートする医療者にとっても満足できる医療を提供し、地域社会にも喜ばれるように精進していきたいと思います。これからもよろしくお願い申し上げます。

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 ゆり園と琵琶湖(琵琶湖バレイより)

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 琵琶湖で運行される船「うみのこ」。

滋賀県内の小学生はこの船に乗り、1泊2日でいろいろな学習をします。映画でも取り上げられていました。

投稿者小児科医長 田川 晃司
「生成AIは普段の生活も、医療も大きく変える!ぜひ触ってみましょう」 平山 傑
2024年06月10日

**AI(人工知能)が私たちの生活に浸透してきています**

AIの文章生成機能が驚くべき進化を遂げ、いまや人工知能は私たちの日常生活に深く関わる存在になりつつあります。2022年に登場したGPT-3DALL-E2は、人間が書いたかのように自然な文章を生成できるAIとして大きな話題を呼びました。

こうしたAIは今後ますます発達し、生活のさまざまな場面で私たちの役に立ってきています。

**AIは医療の現場でも大活躍!スマホ活用が不可欠に**

AIが最も期待される分野の一つが医療です。

・診療記録の自動生成で、医師の負担を軽減

・研究データから論文の下書きを出力し、執筆を効率化

・専門用語の多い説明文を平易な言葉に直して、わかりやすい資料を作成

このようにAIの文章生成機能は、医療現場の業務を大幅に合理化できます。そのためには、医師や看護師がスマートフォンやタブレットを常に活用し、AIにアクセスすることが不可欠になってくるはずです。

**健康増進の強い味方にもなりそう**

AIは健康で質の高い生活を送る上でも、強力な助っ人になってくれます。

普通に話しかけるだけで、いろいろな質問に回答してくれるAIは今までのネット検索とは大きく異なります。

・専門的な健康情報を素人目線でわかりやすく解説

・年齢や体重に合わせた適切な食事・運動のアドバイスを作成

・薬の服用や健診の予約日をリマインドする通知を出力

AIが継続的に新しいアドバイスやリマインドを生成してくれれば、健康的な生活習慣を確実に身につけやすくなりますね。

**当院ではすでにAI活用に取り組んでいます**

当院では、このようなAIの可能性に着目し、積極的に取り入れる取り組みを行っています。医療スタッフ一人ひとりが携帯端末からAIを活用し、診療記録の作成や患者さん向けの資料生成を手軽に行えるようになっています。

新しい技術への適応は避けられない流れですが、私たちはAIの力を最大限に生かしつつ、医療の質向上とみなさまの健康増進に全力で取り組んでまいります。これからもスタッフ一同が切磋琢磨し、最高の医療サービスを心がけてまいりますので、どうぞ宜しくお願いいたします。

なんと、この記事は全てAIで生成したものなんです!

驚きですね。もうすでに気づかないところでAIが活用されています。

好き嫌いに関わらず必須のツールとして今後も日常でつわれるものとなっていくでしょう(もうすでになっている)。

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この記事を下にAIが生成したイラスト

投稿者救急科部長 平山 傑
「オールナイトレディオ」 斉藤 琢巳
2024年05月13日

高校生の息子がたまたま流していたなんともノリノリな曲。聞いた途端に踊りだしたくなるような感じ。そしてどことなく懐かしい。声はAdoのようだ。いい曲だなと思いながら聞き耳を立てていると、"オールナイトレディオ"と歌っている。オールナイトレディオ・・・?オールナイトニッポンのことか?なんて考えながら息子にリプレイ頼んでじっくり聞いてみると、"ハーブアルパートのブラスはご機嫌"とか"お別れはムード歌謡の名曲、有楽町で逢いましょう"とか聞こえる。これはもうオールナイトニッポンの事だなと確信。改めて歌詞を確認したら、"franky"(堺)まで登場していた・・・・。

どうやらAdoはオールナイトニッポン月曜の第一部を担当していたようだ。興味が湧いたので楽曲製作者についてちょっと調べてみた。作詞作曲編曲はMitchie MというボカロP(プロデューサー)らしい。ボカロPについて詳しくは割愛するが、要するに初音ミクに歌を歌わせている人のようだ。作品一覧の中に"道新スポーツの歌"とあり、初音ミクに歌わせている。"道新スポーツ"とは2022年11月に休刊となった道産子にはおなじみのスポーツ紙であり、そのテーマソングも道産子ならご存じなのではなかろうか?"おはよ~ととも~に~、道新スポーツ~"である。初音ミクver.もなかなか乙な感じなので是非聞いてみて欲しい。

それはさておき、オールナイトニッポンといえば、個人的にはタモリやたけし、鶴光なんかの印象が強い。中学生の頃、親に隠れて聞いていたなぁ。今となっては非常に懐かしい。

それにしてもこのオールナイトレディオ、誰か歌ってくれないかなあ・・・・。

One-two-four-two

投稿者外科部長 斉藤 琢巳
「飲酒と依存症」 後藤 誠
2024年04月22日

九州にいたころ、インシュリンの自己注射をしていた糖尿病の患者さんがいました。善良ですが、大量飲酒者でアルコール依存症の人です。九州ではそういう人をポタトール(potator)と呼んでいました。北海道ではあまり聞いたことがありません。ポタトールはドイツ語だと思っていましたが、ラテン語 らしいです。彼はお酒で肝臓も膵臓もボロボロという感じでした。特に膵臓は膵石を伴い萎縮していました。飲酒によって慢性膵炎となり、インスリンが膵臓で充分作れなくなり糖尿病になったと思われました。

入退院を繰り返していましたが、ある時一念発起してお酒をやめました。彼の家はキリスト教で、教会の断酒会に入り、その後そのリーダーになりました。各地を回って指導したり、講演したりしていました。断酒会のリーダーとして外国にも行ったりするようになり、ローマ法王にも会ったとかで、生き生きとしていました。断酒して数年たち、もうこれで大丈夫だろうと思っていました。

ある日、暗い顔をして外来を受診しました。また飲酒するようになったというのです。とても暑い日に墓参りに行って、大量に汗をかき喉がからからに乾いていました。ちょうどその時、墓にお供え物としてカップ入りのお酒が置いてあり、つい飲んでしまったというのです。いったん飲んだら、飲酒が止まらなくなったそうです。恥ずかしくて断酒会にも顔を出せなくなり悩んでいました。たった1回の失敗で自分を責め過ぎないようになどと話したのですが、根がまじめなだけにつらいようでした。

その後、彼は意識障害のため救急車で運ばれてきました。低血糖でした。当時はペン型の注射器はなく、バイアルから注射器で吸って打っていましたから間違えたりして大量に打つこともありえました。

命に別状はなかったのですが、意識は回復しませんでした。寝たきりになった彼を見るたび、あの時、もっと親身になって話していればなどと後悔していました。

sIMG_9854_5_6_tonemapped-Edit.jpg桜と犬.JPG

投稿者内科医師 後藤 誠