「困っている人が声をかけやすい人になりたい」とは妻の言葉。
いろいろと思うことがあるらしく、なかなか深いなあと思いながら聞いています。
今はスマホが道順を教えてくれたり、写真も自撮りできたりと、誰かを頼らなくてもなんとでもなる
便利な世の中になりました。
ただ、スマホの充電が切れたり、例えば病院のような施設内でどこに行けばいいのかわからなくなった時には、
やはり誰かに声をかけて聞こうとなります。
じゃあ声をかけるにしても誰に声をかけたら嫌な顔をされないか、とか普通は考えるわけです。
強面で仏頂面の人と柔らかい表情をしている人(あくまで見た目です)を比べると
とりあえずは後者を選びたくなりますが、
結局重要なのは周囲に気を配っている雰囲気がにじみ出ている人は表情にも出ます。
目がやさしそうだから聞いてみようとなります(ちょっと偏見も込みです)。
知らない方から突然人生相談されても困惑しますが、ひとまず、道に迷った、病院でも診察室の場所がわからない、
レントゲンの場所がわからない、となった患者さんたちに、この先生には声をかけたら怖そうだから他の人探そう、
と思われないような雰囲気を出せているのか気になるところです。
うちの病院の予約も問診もAIが導入され、温かみのない効率ばかりを重視するような方向に
すすんでいるような気もしますが、対話が大事な場面はまだまだあります。
私たち医師にとっては、その場面は外来であれば診察室で、また入院であれば病室です。
特に外来だとより限られた時間にはなりますが、
患者さんたちが心配で聞きたいことをきちんと話してもらえるような雰囲気を作り、
目を見て対話することを心がけたいなと思っています。
病院はコミュニケーションがとても重要な場所です。
病院スタッフ全員が、「困っている人が声をかけやすい人」を目指してくれるといいなと思います。