リレーエッセイの順番が昨年と同じ月に廻ってきました。昨年は豊平公園のアジサイを見に行ったのですが、いくら同じ月とはいえ同じお花ではちょっと、と思い、今年はラベンダーを見に行ってきました。
検索サイトで「札幌 ラベンダー」と入れると、ラベンダーの名所がいくつか検索されたのですが、「ラベンダー刈り取り体験」に惹かれ、札幌生活10年目にして初めて羊ヶ丘展望台へ。入場料520円を払い、なかに入ります。駐車場に車を停め、まずは、クラーク博士の像へ。人がいっぱい。記念写真を撮っています。駐車場の周りを見渡してもラベンダー畑らしきところは見当たらず、案内所で聞くことに。建物の裏側に畑があるとのことで、行ってみると、緩やかな芝生の斜面にラベンダー畑がありました。
ラベンダーはシソ科の植物で古代エジプト時代から芳香植物として、芳香剤や保存剤として、また香り付けとして食用に使用されていたとのことです。ラベンダーの種類も20種類近くあるそうですが、おそらく羊ヶ丘展望台のものは、イングリッシュラベンダー(コモンラベンダー)と呼ばれるものではないかと思います。
ラベンダー畑の斜面の上の方にテントが立っており、そのあたりに人がたくさん集まっています。斜面をあがっていきますと、テントが刈り取り体験の受付でした。係りの男性が「ひとり50本程度刈り取ってください、一つ目の葉っぱの下をはさみで切って下さい」とはさみと輪ゴムとレジ袋を渡してくれました。刈り取って良い畑は人がいっぱいで一度しゃがんでしまうと左右に移動できないくらい。そそくさと50本ぴったり数えて刈り取り、その場をあとに。帰りに休憩所で、ラベンダーソフトを食べて帰りました。
刈り取ったラベンダーはポプリにできるそうなので、乾燥させてみました。並べたラベンダーからほんのりとラベンダーの香りがひろがって、初夏の夕方にゆったりとした気分になれました。
今、こどもの影響で読み出した「進撃の巨人」のラストが気になっています。物語は佳境となり、すでにラストも決まっているようです。漫画、アニメが大ヒットし社会現象となったこの物語は作者諌山創氏の処女作であることも驚きです。かつて流行に乗って小説も映画も全作制覇した「ハリーポッターシリーズ」も作者JKローリング女史の処女作でした。天才作家が姿を現す時は、それはそれは鮮烈なものなのですね。
そう言えば、私の地元、旭川出身の大作家、三浦綾子さんも自身初の長編小説で「氷点」を世に送り出しました。小説の舞台が身近で、容易に目前に広がる実感・共感があり、その壮大な人間描写にも魅了され、他の作品を読みあさったものでした。「塩狩峠」、「泥流地帯」の舞台も隣街。ドライブや出張で通りがかった時には、「この場所であんなことが起こったのか~」などと感慨にふけった若かりし頃を思い出します。
「進撃の巨人」は、得体の知れない人類の敵、〝巨人〟に食い尽くされないよう闘う話(あまりにザックリ過ぎますが)で、背景に描かれる人間模様や巨人に象徴される敵は現代社会を取り巻く多くの問題に読み替えることのできる重い話と受け止めています。読んでいて辛く、出口が見えない気にすらなるのですが、読み手の考え方や捉え方はまさに千差万別。とにかくどんな形となろうと楽しみにして、天才作者が導き出した結論を目撃したいと思います。
いつもの曜日のいつもの時間です。今日は好きなバンドの話、勉強の話、バイトの話などなど、なにを聞こうか話そうか、もちろんあなたの体調はいつも気がかりです。
いつもなら診察室のドアを3回ノックして入ってきてくれるのですが、その日は体調が悪くて来られないと聞きました。少し心配です。
あなたが最初に診察室に来た日も3回ノックだったのでしょうか?かなりつらそうに入ってきたのは覚えています。あの日から5年あまりの日が経ちました。
がんを乗り越えていくことは大変だったでしょうが、ほんとうにあなたは頑張ってくれたと思います。あなたの周りにはさまざまな病院内外を問わず、北海道を越えて多くのプロフェッショナルが集まってくれました。あなたは私とこれらの人々をつないでくれました。
いっしょにがんと闘い、乗り越えて生きていくこと。あなたが生きる毎日は治療に携わる私たちも含め大きなチャレンジであり、冒険であり、夢でした。いっしょに喜び、いっしょに悩んだ日々でした。なかなかうまくいかないことが多くてごめんなさい。
さよならは言いません。「たぶんまた来るよ」と思っています。いつもの曜日のいつもの時間に外来にいます。予約なんて要りません。ドアを3回ノックしてくれればあなただとわかります。
あなたの主治医はこれからも、いつまでも私なのですから。
恐竜が鳥に進化するに至ったもう一つ大切なポイントが、骨である。恐竜の骨と聞くと化石になった、まさに「石の骨」が思い浮かべられるだろうが、実は恐竜の骨は、中身は軽石のように隙間だらけだったのである。すなわち恐竜にとっては体の軽量化がより大きく進化するための重要な課題であり、恐竜は骨を軽石化することにより、巨大生物となり得たのである。
ある日、体の軽いやんちゃな恐竜が、わーいわーいと言って手=羽を振り回して遊んでいるうちに偶然、あれ?体が‘浮く’?ということに気づいた。あるいは木登りをして遊んでいたやんちゃな恐竜が誤って木から落ちて、思わずわー!と手=羽を振り回したらあれ?体が‘浮く’?ということに気づいた。たぶんそれが恐竜→鳥が空を飛んだ最初の瞬間なのではないだろうか。何億年も昔、遠い、遠い時代の話である。
平成から令和になった。自分も昭和、平成、令和と3つの元号を経験することになった。
先日ニセコに行ってきた。噂通り外国人がたくさんいて、新しいホテルやペンションがどんどん建設されていた。
私は若い頃陸上部に所属していたのだが、最近日本の陸上選手の力の向上が著しい。男子400mリレーは東京オリンピックで本当に金メダルを狙えるかもしれない。自分が昔やっていた男子走り高跳びでも今年日本記録が出て、今のところ今季の世界最高記録である。昔ではあり得ないことだ。
以前から好きだったがビールにはまっている。以前は日本ではほとんどがピルスナーの類だったが、今では日本中に多くのブルワリー(醸造所)が誕生し、さまざまなクラフトビールがあり楽しんでいる。個人的にはHazy(濁った)な苦いビールが好みだ。
自分の仕事でいうと、昔よりも腹腔鏡手術の割合がかなり増えた。時代の変化として低侵襲治療が求められた結果である。おかげさまで私が専門外来をしている鼠径ヘルニアの腹腔鏡手術は北海道で一番の手術件数をさせてもらっている。
あと何年仕事をするのか、何年生きるのかわからないが、時代はどう変化していくのだろうか。好きなビールを飲みながら変化を楽しみたい。