「とうちゃん」 中川 麗
2013年03月11日
私のとうちゃんは幸せ者だ。

かあちゃんと呼べる人を3人もつ。

1人は、私の母でもある、かあちゃん。
ひねくれた20代、心の声に正直に、好きなことに夢中になる勇気をくれた人。
昔から、とうちゃんは暇さえあれば、いつもかあちゃんの背中を見送っていた。仕事に行くかあちゃんが、駅の階段を上りきるまで、ずっと・・・。見送る父の吐息は白かった。
振り返ったとうちゃんを「あんなに昨日けんかしてたのに~」とひやかすと、「しあわせだからな。感謝してるしな。見送らないでなんかあったら後悔するからな。かあちゃんのためじゃない。自分のためだぞ。」と照れ、笑った。

2人目は、とうちゃんを可愛がって、甘やかして育ててくれた、かあちゃん。
根っこは、けっこう頑固で、ドストエフスキーが好きなとうちゃんが、はじけるように笑い、愛情深く育ったのは、かあちゃんの影響に違いない。
とうちゃんから繰り返し聞く子供の頃の話。そこにはいつも明るいかあちゃんがいる。ある日、食卓にならんだエビの天ぷらは、とっても甘かったそうだ。「天ぷら粉がないから、ドーナツ粉であげてみたんよ。やっぱりあまくて食べられへんか?はっっはっはっ」

3人目は、とうちゃんを産んでくれた、かあちゃん。
産褥熱で亡くなったそうだ。
プリンを食べたいな。と、つぶやきながら亡くなったかあちゃんを思うのだろうか、とうちゃんのとうちゃんは、プリンを口にすることはない。

かあちゃんは、北海道に住んでいたという。
幸せな毎日の中、語られることが少ないかあちゃんはどんな人だったのだろうか。呼ばれたような気がして、北海道に来た。

そこは、緑豊かで、文化的で、すてきな人たちに恵まれていた。離れがたく、10年近く暮らしている。

もうすぐ、3月11日を迎える。故郷を離れることを余儀なくされている方も多いと聞く。残った方も、残れなかった方も、幸せになってほしい。そして、いつの日か、孫やひ孫が立ち寄った時、うっかり10年いついてしまうような、そんな素敵な土地となりますように。私や私の家族、または一緒に思い出をつくった研修医や学生さんもその日を編み出す歴史の一部にまぜてもらえますように。

そんな祈る気持ちが高まる3月11日、とうちゃんは、65回目の誕生日を迎える。

少ししわが増えた。それもまた幸せらしい。
投稿者総合診療科 中川 麗
「札幌徳洲会病院国内留学経過報告」 安田 知弘
2013年03月04日
私は、昭和大学藤が丘病院から渥美教授、小原准教授のご好意をうけ国内留学の立場にて8月から赴任させて頂いております。重度四肢外傷の骨,軟部組織再建において[皮弁,マイクローサージャリー][創外固定]の2つの技術と知識は必要であり、治療戦略において強力な武器となります。それは相対するものではなくお互いの利点を生かした治療戦略を立てるべきだと思っております。
留学先を選択する際に、元々専門としていた[創外固定]の知識を深めるためイリザロフセンターへ留学するか、触れる機会の少なかった[皮弁,マイクローサージャリー]の知識と技術を身につける為に札幌徳洲会病院へ国内留学するか迷いましたが新しい事にチャレンジする事に決めました。
(札幌徳洲会病院=外傷センター)の印象がありますが赴任して驚いたところは、森院長が昼夜問わず臨床、仕事をしている事でした。外来に、手術、当直や救急当番までしている姿は尊敬に値するものだと思いました。また、外傷センターでは完結せず内科、外科、プライマリー科の先生方の力をお借りする事が多々あり成り立っているものだと思いました。赴任後半年経過し土田先生の御指導の下、前大腿外側皮弁、VAF、指動脈皮弁、逆行性指動脈皮弁、指尖部損傷他、多くの症例を経験させて頂いております。引き続き土田先生、諸先生方のご指導を仰ぎ国内留学を有意義なものにし昭和大学藤が丘病院へ技術を持ち帰りたいと思っております。今後ともよろしくお願い致します。
投稿者外傷センター医師 安田 知弘
「野外活動のすすめ」 大原みずほ
2013年02月12日
今年の冬は雪が多く、寒い日が続いていますがいかがお過ごしですか?寒くて外にはでたくない!という方も多いのではないでしょうか。

私は東京の郊外で生まれ、海も、山も、川も、雪もないところで育ちました。大学受験ではじめて北海道へ上陸して寒さと雪に驚き、それから始まった北海道生活も、かれこれ10年以上になりました。

北海道の魅力はいろいろあると思いますが、なんといっても外遊び。大自然とダイナミックな四季の中で、遊びはつきません。
といっても、本格的なアウトドアを極める!というわけではなく、春になれば外でバーベキュー、夏にはドライブとキャンプ、野外ロックフェスティバル、冬にはワカサギ釣り、スキー、と、家族や仲間たちと気軽に、楽しんでいます。

数年前ですが、知床へキャンプに行ったときのこと。キャンプ場の周囲には、防護柵が張ってありました。鹿がキャンプ場の中に入ってこないようにするためのものです。雄大な景色を楽しみ、バーベキューをして温泉に入り、ぐっすり眠って・・・。翌朝、ガサゴソとした音で目覚めました。キャンプ場ではよくカラスが出現するので、ゴミの片づけには気をつけていたはずだけど・・・と思いながらテントから出ると、目の前に鹿が。あの柵の内側に鹿がいました。柵なんて全然役に立ってない・・・けど、熊じゃなくてよかったです。

また、野外活動はどうしても天気に左右されるので、スキー場で吹雪にあう、野外フェスで大雨にあたる、ということもしばしば。昨シーズンの2回のキャンプは、2回とも大雨に降られました。

そんな予想外のいろいろな出来事も、時間が経つと楽しい思い出になります。2005年8月のRising Sun Rock Festivalの、大雨の中のBRAHMANのライブ、服も靴もぐしゃぐしゃになって帽子もなくしたけど、最高だったな・・・とか。

何で年中、野外活動したくなるのか?と考えてみました。
1. 北海道は四季折々の外遊びが豊富である。
2. 職業柄、なかなか外に出られないので、その反動で外に出たくなる。
3. 大人数でも少人数でも大人でも子どもでも楽しめる。
4. 野外活動は体力を消耗するので、ごはんが美味しくなる。
5. 同様に、お酒が美味しくなる。
6. そして、帰ったら疲れてぐっすり眠れる。
7. リフレッシュして、また仕事への意欲が生まれる。

いろいろありますが、2番が大きいでしょうか・・・。体力づくりにもなるし、リフレッシュにもなるし、ごはんも美味しくなるし、早寝早起きになるし、いいことだらけです。

先日は札幌国際スキーマラソンでクロスカントリースキーに挑戦しました。初心者なので、メインである50kmのスキーマラソンではなく、10kmの歩くスキーコースにしました。小学生たちに抜かされながらも無事に完走。札幌市内でも、滝野すずらん丘陵公園や、白旗山にクロスカントリーコースがあり、一般開放されているようなので、また行ってみたいと思います。

寒くて引きこもりがちな冬ですが、たまには外に出てリフレッシュしてみませんか?
投稿者外科 大原みずほ
「年甲斐もなく・・・。」 松井 裕帝
2013年02月04日
皆さん、こんにちは。外傷センター 医師 松井裕帝と申します。

年甲斐もなく・・・。「大人がその年齢にふさわしくない愚かな事をする。いい年をして浅はかな行ないをする。」という意味だそうです。あまり、良いイメージの言葉ではありませんね。最近、妻から言われた一言です。僕の趣味である、プラモデル(ガンダム)を衝動買いした際に、言われました。
ふと、自分の年齢について考えてみました。3〇歳・・・。愚かな事?浅はかな行い?自分が大人子供なのかもしれません。

さて、僕の大好きなスポーツ選手である松井秀喜選手が、先日引退しました。心に大きな穴が開いた気分です。偉大な選手もいつかはこんな日が来ると、わかってはいますが・・・。さびしい限りです。
彼を悪く言うような人は一人もいないのではないでしょうか?日本人のみならず、アメリカ人(ニューヨーカー、ヤンキースの同僚であったデレク・ジーター選手、彼の代理人であったアーン・テレム‥など)にも好かれていましたね。
約20年前、彼の伝説の序章となった出来事。1992年夏の甲子園2回戦対明徳義塾戦で5打席連続敬遠、一度もバットを振ることなく大会を去ることになりました。当時18歳でだった彼の試合後のインタビューが忘れられません。大人達(マスコミ)は嫌らしい質問を投げかけます。「普通に勝負させて貰えたら、星稜が勝ちましたよね?」「対戦相手の河野投手に言いたいことはありませんか?」「高校野球らしくない作戦に腹が立ちませんか?」・・・。たくさんの陰湿な?誘導尋問?に屈せず、悔しさを押し殺し、『高校野球らしくないかもしれないが、ルールに則った中で、僕らの力が及ばなかった。ただそれだけです。』
当時18歳の松井秀喜選手は、年甲斐を超えた?発言を残しました。あまりにも対照的な自分・・・。ふと、そんなことを思い出しました。大人になりきれていない自分が恥ずかしくなる今日この頃です。
今後、どのような形で再び僕らの前に登場してくれるのか?今は、そんな楽しみを持ちながら、ただ、今はゆっくりと休んでください。お疲れ様でした!!松井秀喜選手。
投稿者外傷センター医師 松井 裕帝
「新病院移転後」 佐久間 明洋
2013年01月28日
放射線科の佐久間といいます。主に、撮像されたCT・MRIの画像に対するレポート作成、出血や肝腫瘍に対する血管内治療、透析シャントの血管形成術(狭窄の解除術)を行っています。
新病院に移転して、半年が経過しました。移転当初にみられたいろいろな問題が徐々に解決され、最近はだいぶ落ち着いた感があります。
新病院移転にあたり、自分の通常業務に関わるところでは、CT(東芝製320列マルチスライス)・MRI(フィリップス製3.0テスラ)の機器更新がありました。特に新病院のMRIは、疾患によっては旧病院で使用していたMRI以上の情報が提供できるのではないかと考えています。
撮像・読影件数は増加の一途をたどっていますが、各症例に対して丁寧に対応してきたいと思っています。
なお、読影レポートを作成するうえで、データを再構成して異なる断面の画像を追加で作成してもらう必要がある場合や、異なる条件で撮像した画像を多数組み合わせて評価する必要がある場合があります。特に外来の方については、できる限りはやくレポートを作成できるように心がけていますが、どうしても時間がかかってしまう場合がありますので、ご了承ください。
今後ともよろしくお願いします。
投稿者放射線科医長 佐久間 明洋