当科は、白石・厚別地域の二次医療機関として地域歯科医院と病診連携をとりながら、患者様の健康の向上に寄与できる、地域における口腔外科基幹病院を目指しています。
当科は、地域の歯科医療機関がその特長を生かし、互いに協力・連携しながら地域の歯科医療機関全体で１つの病院のような機能を持ち、切れ目の無い医療を行っていく『地域完結型歯科医療』を目指しています。そのため当科では、患者さまがかかりつけ歯科医を持たれ、初期治療をかかりつけ歯科医で受けられることをお勧めしています。

また、当科での治療・検査が終了し、病状が安定しましたら、それぞれの地域で安心して療養を続けることができるよう、ご紹介いただいた「かかりつけ歯科医」の先生をはじめ、当科と連携している適切な機関へご紹介しています。
当科の主な診療内容は、歯科における二次医療と位置づけられる侵襲性の高い治療を必要とする顎口腔疾患、口腔粘膜疾患、顎関節症、顎顔面外傷ならびに口腔領域感染症、口腔領域の腫瘍と嚢胞、唾液腺疾患、有病者の抜歯・歯科治療の他、通常のインプラント埋入（保険外診療）が困難で骨移植（保険外診療）などを必要とする症例や、高齢化に伴い、顎堤萎縮・過吸収といった症例に対しても治療を提供しています。
原則的に治療に関しては当科で完結するように努めますが、口腔乾燥症・舌痛症・歯科金属アレルギーなどの口腔内科疾患等対応が困難なものについては、患者様に最善の医療が受けられるよう必要に応じ北大病院等との連携をはかっています。

上記疾患や、入院・手術、鎮静・モニター管理下にて処置が必要とされる症例に対して治療を行っています。

札幌徳洲会病院は、道内初の外傷センターを有し、札幌近郊および道内各地より外傷患者を受け入れていますが、顎顔面領域においてその初期治療が必要と判断された場合には救急医療へ積極的に参画し、顔面外傷治療や外傷治療後の口腔機能の回復を総合的に行っています。

当科では智歯、埋伏歯などの抜歯、外傷、嚢胞、唾液腺疾患、歯性感染症、顎変形症をはじめ、口腔腫瘍（良性・悪性）の治療を行います。また頭頸部手術後の機能回復のための顎補綴など困難な補綴治療を行っています。

札幌徳洲会病院に入院中の患者様につきましては、応急処置をはじめ、専門的口腔ケアの提供などニーズに応じた一般歯科治療を行います。退院後はかかりつけ歯科へ診療情報提供し、引き継ぐようにしています。

札幌徳洲会病院に通院中で種々の基礎疾患や合併症を有し、一般開業歯科医院にての治療が困難な方に対し、患者様が安心して治療を受けられるよう抜歯などの観血的治療や専門的対応を行っています。う歯や歯周病の治療のような、一般の歯科医院での治療が適切と判断されるような時には、かかりつけ歯科と連携を取って行います。

顎顔面補綴治療は、顎顔面領域の腫瘍、外傷、炎症、先天奇形などにより実質欠損を生じ、原疾患が治癒しても顎口腔機能の喪失や審美性の点に問題がある症例に対して行われる、特殊歯科医療の一つです。顎顔面領域の悪性腫瘍および他の疾患の治療成績が向上するに伴い、術後の顎顔面機能障害を後遺する患者様に対して治療を提供します。さらに術後の機能再建など、治療の最終形を想定して術前から計画的に治療を進めることで、患者様のQOLを向上させることに努めています。

当科では紹介初診予約制をとっています。 紹介状をお持ちの方も事前に予約をお願いしています（緊急性のある場合は適宜対応致します）。
当院へ受診される際に『紹介状』をお持ちいただきますと次のようなメリットがあります。

• 初診時特定療養費を負担していただく必要がなくなるため、診療費の負担が少なくなります。
• これまでの診療の経過および現在の症状について十分把握することができ、当院での診療等に大変役に立ちます。

患者様各位におかれましては、『かかりつけ歯科医制度』及び『新患予約制』の趣旨をご理解のうえ、ご協力いただきますようお願いいたします。