リハビリテーション科
リハビリテーション科概要

当科は倉田佳明整形外科外傷センター長を責任医として、理学療法士24名、作業療法士8名、言語聴覚士6名、柔道整復師2名、助手1名によって構成されており、当院の各科・各部門の医師やコ・メディカルスタッフと連携し、リハビリテーション診療にあたっております。
当院は救急医療が中心であり、急性期からのリハビリテーションが求められています。リスク管理が必要な方が多く、検査データ・画像・感染症などの多くの情報収収集や、入院前の生活状況、既往歴、家族構成などの情報を元に目標設定考え、先の生活を見越してリハビリテーションを実施しています。
理学療法・作業療法・言語聴覚の様々な視点から必要なことを探り出し、改善していくために必要な方向性を検討しています。患者様の病状や背景は多種多様であり、1つとして同じことはありません。日々、議論を重ねて最善の医療を提供できるようにと頑張っていきます。

診療実績(2022年度)

rh.PNG

・症例数

2022年度 運動器 廃用 呼吸器 脳血管
PT 1559 1661 610 73
OT 1177 390 174 40
ST   1072 383 61
リハ科合計 2736 3248 1219 113
(件)
施設基準

脳血管リハビリテーション/運動器リハビリテーション/呼吸器リハビリテーション/廃用症候群リハビリテーション

医師からの紹介
dev01_img04.jpg
奥山 淳(札幌徳洲会病院 院長)
リハビリテーションとは人間らしく生きる権利の回復を意味します。
「人間らしく」とは「その人らしく」と置き換えることもできます。
  障害を負った人を、挑戦という使命や課題、挑戦するチャンスや資格を与えられた人 the challengedと最近では呼ばれています。
リハビリテーションに携わる資格を与えられたということはその同伴者になることです。手を伸ばせば届くところに相手がいる。
相手のいらだちや不安を直接うけることもあるでしょう。
分かりあえば肩をだき、握手をかわす。肌の温もりがあり、体臭がある。
緊張感を伴った親密さの中で本来のリハビリテーションが成立するのです。
理学療法
dev01_img05.jpg

理学療法部門 室長 中田 敦
理学療法の目的は日常生活活動の改善、さらには生活の質の向上を目指し、病気や怪我などによる原因で起こる基本動作(座る、立ち上がる、歩くなど)の動作障害を改善することです。
当院では急性期のリハビリテーションが中心となりますが、機能トレーニングから在宅生活を想定した練習まで幅広く実施しています。また、ICUや小児科病棟での呼吸理学療法の実施、訪問リハビリテーション、など多岐にわたり介入しています。
現在、整形外科外傷チーム・内部障害チーム・整形外科チームがあり、専門性を追求できる環境を構えています。
作業療法
dev01_img06.jpg
作業療法部門 副室長 越後 歩
作業療法の目的は食事動作や更衣動作といった日常生活活動を自立することや仕事、家事などそれぞれの役割へ復帰することです。
当院の作業療法部門では7名の作業療法士が在籍しており、患者様によりよい医療を提供できるように努めています。道内では唯一の「認定ハンドセラピスト」、「手外科分野専門作業療法士」が在籍する施設として、北海道の「ハンドセラピィ」分野のリーダーを自負しています。
言語聴覚療法
言語聴覚療法では、脳血管障害などによる嚥下障害、構音障害、失語症、認知症等の患者様に対し、機能訓練やコミュニケーション訓練等を行います。 当院には6名の言語聴覚士が在籍しております。
リハビリ業務のほか、各病棟とのカンファレンスや委員会活動等に参加し、リハビリの経過などの情報提供も行っています。
各種委員会
ICT(Infection Control Team)
院内の感染対策委員会に参加し、院内の感染症状況の確認・対策や院内ラウンドにも参加しています。
リハビリテーション科は入院中の各科の患者に加え、外来患者も同時に対応するため、適切な感染対策をしないと感染拡大を招いてしまう可能性があります。
感染拡大を防ぐため、すべての患者に対し標準予防策を行なっています。
また、結核、インフルエンザ、ノロウィルスなど健常な人でも注意が必要なものから、日和見感染(免疫・抵抗力の弱った人に感染)を起こすMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)などに対し、感染経路別に対策を行っています。
dev01_img08.jpg

院内ラウンドの様子

NST

NSTはNutrition Support Teamの略語です。NSTメンバーとは、入院患者様に最良の栄養療法を提供するために、医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、臨床検査技師、言語聴覚士など職種を超えて構成された医療チームのことです。
入院している患者様の中から定期的に栄養状態の悪い方を選定し、栄養状態改善に向けたプランを提案しています。

NSTの役割

NSTは入院患者様の栄養状態を評価し、栄養療法を提言・選択・実施します。
患者様の栄養状態の改善・治療効果の向上・合併症の予防・QOLの向上・在院日数の短縮などを活動目的としています。多職種カンファレンス後メンバーでラウンドを行います。患者様のお話を聞いたり、実際の様子を見て、個々の患者様に合った栄養摂取方法や投薬、食事内容の変更などを助言します。

RST(呼吸ケアサポート)委員会
人工呼吸器装着患者など呼吸器ケアが必要な患者のサポートを行うチームです。医師、看護師、臨床工学技士、理学療法士で構成されたメンバーで人工呼吸器の早期離脱や、呼吸ケアの標準化を目指して、週1回の患者ラウンド、VAPサーベイランス、院内向けの勉強会などを主な活動として行っています。 dev01_img09.jpg
口腔ケア委員会

医師、歯科衛生士、看護師、言語聴覚士で構成されており、口腔内汚染や疾患がある患者様に対し、口腔ケアや治療、適切な口腔ケア施行方法の周知を目的に活動しています。
口腔内を清潔に保つことで誤嚥性肺炎の予防や経口摂取の早期獲得を目指しています。

摂食嚥下サポートチーム(『SST』:Swallow Support Team

目的

 医師、摂食嚥下障害看護認定看護師、薬剤師、管理栄養士、言語聴覚士の他職種で構成されています。

 様々な疾患や障害による摂食嚥下機能(飲み込む力)の低下した患者様の「食べたい」という意思を尊重すると共に適切な評価やケアを行い、誤嚥や窒息予防に努め「食べる」ための支援をしています。

役割

 週1回、適切な嚥下機能評価(嚥下内視鏡検査、嚥下造影検査、改定水飲みテスト、フードテスト等)を行い、経口摂取の可否や患者様に合った食事形態・とろみ粘度調整、食事姿勢、食事介助方法の指導や提言を行います。

 誤嚥や窒息、誤嚥性肺炎の予防のため、対象となる患者様に対して摂食嚥下障害看護認定看護師と言語聴覚士を中心に、指導・相談に応じています。

安全衛生委員会

安全衛生委員会は職員が安心して働き続けられる職場作りのために、労働者の危険又は健康障害を防止することを目的に設置されています。産業医を中心に多職種で連携し、労災発生事例・長時間労働・メンタルヘルス・腰痛などの調査や審議を行い、対策を推進しております。

また、理学療法士が中心となり活動している腰痛対策においては、日本理学療法士協会が実施している、「職場における腰痛予防宣言」事業において、認定施設(金メダル)となっております。

専門資格所有職員

※カッコ内は人数を示します.

PT

呼吸療法認定士(6)

心臓リハビリテーション指導士(1)

第一種衛生管理者(2)

衛生工学衛生管理者(2)

呼吸認定理学療法士(3)

循環認定理学療法士(1)

運動器認定理学療法士(6)

運動器,スポーツ専門理学療法士(1)

脊髄障害認定理学療法士(1)

国際マッケンジー協会認定セラピスト(1)

理学療法学修士(1)

OT

専門作業療法士(手外科)(2)

認定ハンドセラピスト(2)

認定作業療法士(2)

日本ハンドセラピィ学会理事(2)

北海道ハンドセラピィ研究会会長(1)

北海道ハンドセラピィ研究会理事(1)

札幌医科大学臨床教授(1)

北海道大学臨床指導教授(1)

作業療法学博士(1)

認知症ケア専門士(1)

ST

日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士(1)

学会発表・研究会

北海道理学療法士学術大会

日本運動器理学療法士学術大会

整形外科リハビリテーション学会

足の外科学会

整形外科外傷理学療法研究会

北海道作業療法士学術大会

日本ハンドセラピィ学術大会

北海道ハンドセラピィ研究会

ほか論文・執筆書籍あり

その他

日本理学療法士協会(後援:厚生労働省)

2022 職場における腰痛予防宣言」金メダル認定施設