検査室(臨床検査部門)
臨床検査部門の概要

臨床検査室は大きく分けると二つの部門からなります。ひとつは、心電図検査、脳波検査、超音波検査等、直接患者様と接して検査を行う生理検査部門、もうひとつは、患者様から採取された検査材料(検体)を分析する検体検査部門です。検体の種類、調べる目的などにより、一般検査、生化学検査、血液検査、免疫・輸血検査、微生物検査、病理検査に分かれています。

主に、尿や便を対象として検査をします。尿検査では蛋白、糖、潜血等を調べる定性検査や尿中の細胞や結晶、細菌の有無を顕微鏡で観察して異常がないかを調べます。
便の検査では潜血反応を調べ消化管からの出血の有無や寄生虫の検査をしています。
その他にも腹水・胸水・関節液などの穿刺液や髄液中の生化学検査や細胞、その数を調べたりします。

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尿自動分析装置US-2100R

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尿中に見られた白血球、移行上皮細胞

生化学検査

主に血液中に含まれる微量な成分を全自動生化学分析装置により分析し、数値化します。
AST(GOT)、ALT(GPT)、LDH、ALPなどの肝機能検査。尿素窒素、クレアチニンなどの腎機能検査。コレステロール、中性脂肪などの脂質検査。血糖、グリコヘモグロビンなどの糖尿病検査などその他様々な検査項目があり、病期の診断や治療の判定、病状の経過観察などに用いられます。

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救急外来、一般外来で採血された検体はエアシューターにて検査室に搬送されます。

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全自動生化学分析装置 TBA-c16000と全自動免疫測定器 ARGHITECT i2000SR

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自動グリコヘモグロビン分析計 HLC-723G8

血液検査

血液検査では赤血球、白血球、血小板の数や白血球の分類を多項目自動血球分類装置により算定し、必要によって技師が血液標本を作製し、直接顕微鏡にて検査します。
また、血液の凝固能などを調べ、貧血や出血傾向・炎症の有無・血液疾患などの診断に利用します。

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多項目自動血球分類装置XN-2000

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顕微鏡を用いて、血液標本を観察

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顕微鏡でみた血液標本

免疫血清検査
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全自動エンザイムイムノアッセイ装置 AIA2000

免疫血清検査はB型肝炎やC型肝炎等の感染症検査をはじめ、血液中のホルモン測定、薬物の血中濃度、腫瘍マーカー等の検査を行っています。昨年の7月より腫瘍マーカー(AFP、CEA、CA19-9、PSA、CA125)の検査も24時間至急対応とし、病気の診断や治療効果の判定に役立てています。
輸血検査

安全に輸血治療を行うための検査として、血液型、不規則性抗体スクリーニング等を行っています。また、輸血を必要とする患者さんの血液と血液センターより供給された血液製剤が適合するかを調べる交差適合試験も24時間至急で対応しています。

輸血療法委員会

 

管理体制としては、病院内に輸血療法委員が設置されており、輸血に関する取り決めや輸血関連情報の伝達、血液製剤の使用状況等また、輸血に関する問題や改善方法を議論し適正で安全な輸血が行われるように定期的に検討しています。また、委員会での決定事項については、各部署に議事録を配布し周知徹底しています。

微生物検査

微生物検査は患者様から提出された様々な検体(喀痰・尿・糞便・血液・膿など)より病原体を探し、その病原体に対し薬(抗菌薬)は何が効いているのかを検査しています。他の検査に比べ手作業が多く迅速検査の割合が少ないのですが、『染色』・『ウイルスや毒素などの迅速検査』は至急でも対応し、患者様の治療に少しでも早く開始出来る様取り組んでおります。又、院内感染等で問題となるMRSA・多剤耐性緑膿菌・ノロウイルスなどの感染情報は定期的に収集し、院内感染対策委員会を通じて問題が起きぬ様対策しています。

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様々な検体を培地に塗布し24時間後に病原体を探します。(検体の種類や目的菌により使用する培地が違います。)

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染色により起因菌を推定し治療を早く開始する事が可能です。

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Walk/Away 自動機器を用いて病原体の菌名を調べ、その病原体に何の薬が効くかを検査しています。

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BACTEC FX 血液中に菌がいないか(敗血症)を検査しています。

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NSC-CLASS2 TYPE A2 周囲環境への汚染防止、作業者保護、試料間の相互汚染防止を最小限に止めることができます。

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専門資格所有職員
和田 直樹
  • 認定臨床微生物検査技師
  • 感染制御認定臨床微生物検査技師
佐藤 絵里
  • 認定輸血検査技師