検査室(生理部門)
生理検査概要

生理検査室では、心電図、超音波検査、肺機能検査、脳波検査等の生体検査を行っています。狭心症や心筋梗塞をはじめとした心疾患のための検査や、心臓、腹部、甲状腺等の超音波検査、てんかんや痙攣などの神経疾患をみる脳波検査などがあります。患者さんの立場にたった対応を心掛け、迅速かつ正確に検査が進むよう、知識と技術の向上に励んでおります。

心電図
dev12_img01.jpg 心臓が動く時に発する電気信号を記録し、心臓の働きを調べる検査です。主に虚血性心疾患、不整脈、心臓肥大がないかを評価します。両手足と胸に電極をつけ、1分程度記録します。検査の際は胸と手足を露出しやすい服装をしてきて下さい。
ホルター心電図
dev12_img02.jpg 短時間での検出が難しい不整脈や狭心症を調べるため、1日の心電図を記録する検査です。胸に電極を貼り、小さな心電計で記録していきます。検査中はおおまかな行動や自覚症状を記録用紙に記載していただき、解析時の参考にします。装着中は入浴できませんが、他の日常生活には殆ど支障がありません。
トレッドミル検査
dev12_img03.jpg 小さなベルトコンベアの上を歩くことにより、心臓に運動負荷をかけながら心電図と血圧を記録する検査です。虚血性心疾患や不整脈の診断に役立ちます。検査当日は運動しやすい服装で来ていただきます。
脳波検査

頭に21個の電極をつけ、脳の電気活動を記録する検査です。眼に光を当てたり、眼の開閉眼、過呼吸などをおこない異常脳波を誘発させることもあります。小児の場合は睡眠させて検査することが多いので、眠りやすいように検査前には睡眠不足の状態で来ていただきます。検査は準備も含め1時間~2時間ほどかかります。てんかんや痙攣などの診断に役立ちます

末梢神経伝導速度測定検査

手足の神経の機能障害を調べる検査です。手または足に電気刺激を与え、その先の神経に興奮が伝わるまでの時間を測定します。やや痛みを伴う検査です。
手のしびれや糖尿病による末梢神経障害の診断に役立ちます。

呼吸機能検査
dev12_img04.jpg 肺の機能を調べる検査です。鼻をクリップでふさぎ、口にマウスピースをくわえた状態で息を大きく吸ったり吐いたりしていただきます。患者さんの頑張りしだいで検査結果が大きく左右されるため、患者さんの努力と協力が必要となります。
血圧脈波検査(ABI)
dev12_img05.jpg 両手、両足に血圧計を巻き、心電図や心音図と一緒に血圧を測る検査です。下腿の動脈硬化や血管のつまりを調べます。四肢のしびれや冷感、間欠性跛行などの症状があるときに行います。
超音波検査

検査部位にゼリーを塗り、プローブと呼ばれる超音波発生装置をあて検査を行います。痛みはない検査です。

  1. 心臓超音波検査
    心臓の大きさや動き、血液の流れや弁の異常など非常に多くの情報が得られる検査です。
  2. 腹部超音波検査
    主に肝臓、胆のう、膵臓、腎臓、脾臓を調べる検査です。検査の前1食を抜いていただきます。息を吸ったり吐いたりして協力していただくことがあります。
  3. 甲状腺超音波検査
    甲状腺の大きさや内部の状態を調べます。
  4. 血管超音波検査
    首の頸動脈、腎臓につながる腎動脈、手や足の動脈、静脈につまりがないかを調べます。

dev12_img06.jpg

頚動脈エコーをしている写真

dev12_img07.jpg

超音波検査装置 TOSHIBA aplio XG

睡眠時無呼吸症候群(SAS: Sleep Apnea Syndrome)ってなに?
無呼吸やいびきが危険信号!自分の睡眠を見直して、質の高い睡眠を!!

人間は1日平均8時間眠るサイクルで生活しています。それは人生の1/3を睡眠で使っていることになります。
そんな睡眠を見直して、質の高い睡眠で心も体も健康に過ごしてみませんか?

睡眠について

人間は1日平均7-8時間、人生の1/3は眠っていると言われています。睡眠は日中の生体活動で活躍した脳と身体を休ませる時間です。この睡眠が充分にとれない状態が続くと疲れがたまり、逆に「昼間眠たい」状態や「ずっと疲れた」状態となりさまざまな悪影響を及ぼします。

睡眠時無呼吸症候群(SAS: Sleep Apnea Syndrome)とは

睡眠を妨げる要因として睡眠時無呼吸症候群(SAS: Sleep Apnea Syndrome)という病気があります。眠っているときに無呼吸や低呼吸状態になる病気です。
SASのひとは寝ているときに呼吸する気道が閉塞し、体に十分な酸素が取り入れることができなくなってしまいます。
そして酸素の量が少なくなってしまうと、頭や身体に影響が及んでしまい、日中に眠くなって活動が低下してしまいます。
そのため日中、大事な時間帯でも強い眠気に襲われ居眠りをしてしまったり、仕事や勉強への意欲が低下し、日中の生活に悪影響を及ぼすようになってしまいます。
最近、日中の居眠りが事故や災害につながりかねないことや糖尿病や高血圧、心疾患などの病気にも関連があると言われており、社会的にも注目されています。

医学的な定義

睡眠時無呼吸症候群(SAS: Sleep Apnea Syndrome)の医学的な定義は無呼吸や低呼吸の状態が「一晩(約7時間)の睡眠中に10秒以上の無呼吸が30回以上」また「1時間あたりの無呼吸数や低呼吸が5回以上起こる状態」といわれています。
症状の程度の分類として「AHI(無呼吸低呼吸指数)」という指標が用いられます。AHIが5以上で睡眠時無呼吸症候群が疑われます。

SASになる原因
SASの原因は「閉塞型」「中枢型」「混合型」の3つに分類されます。
その中でも95%は「閉塞型」といわれています。閉塞型の睡眠時無呼吸症候群ではのどの空気の通り道が狭く睡眠中につぶれやすくなるため閉塞して空気が通らなくなり、そのため睡眠中に低呼吸や無呼吸が発生します。
dev12_img08.gif

では、気道が狭くなる原因は?
  • 肥満による首周りの脂肪沈着
  • 扁桃肥大
  • 小顎症
  • 舌の付け根や軟口蓋が気道へ落ち込んでいる
  • 舌が大きい
  • 鼻に構造的な問題がある(鼻筋の弯曲など)

肥満が原因と思われがちですが、顎などの形態的な問題が原因でSASにつながることもあり
それぞれの原因に応じた適切な治療を行うことが大切です。

SASの症状

あなたは次のような症状に心当たり有りませんか?
このような症状は睡眠時無呼吸症候群のひとによくみられる症状です。

dev12_img09.jpg

dev12_img10.png

dev12_img11.gif

治療について
  • 生活習慣の改善
  • 肥満のある方は減量に努める
  • 禁酒(特に就寝前の飲酒)
  • 禁煙
  • 仰臥位寝⇒側臥位・うつぶせ寝
  • 鼻マスク式持続陽圧呼吸法(CPAP療法)
  • 機器を使用し空気を気道へ送り空気の通り道が塞がれないようにする
    (保険適応3割負担・月5,000円 月1回外来にて医師の指導)
  • 外科的手術・マウスピース等
dev12_img12.jpg
専門資格所有職員
田辺 裕
  • 超音波検査士 (循環器・消化器・体表臓器領域)
  • 臨床工学技士
  • 二級臨床病理技術士 循環生理学
田村 純
  • 血管診療技師
樺島 茜
  • 超音波検査士(消化器・循環器領域)