放射線部門
札幌徳洲会病院 放射線部

当院の放射線部は、常勤放射線科医師4名、診療放射線技師22名、受付クラーク1名のスタッフで構成されています。

主に、単純X線撮影検査、CT検査、MRI検査、X線透視検査、血管造影検査、マンモグラフィなど、放射線を利用して行われる検査全般に携わっています。

PACS装置(画像電子保存装置)や放射線検査画像レポートシステムが導入されており、検査画像の読影や管理なども放射線部で行っています。

単純X線撮影装置

GE社製FPD搭載一体型一般撮影装置『Discovery XR656』 2012年7月導入
Canon社製一般撮影装置『MRAD-A50S』 2019年1月導入
KONICA MINOLTA社製ワイヤレスDRパネル『AeroDR』 2019年1月導入
全ての一般撮影室(3室)が全面FPD化となりました。

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FPDとは

FPDとはフラットパネルディテクター(Flat Panel Detector)の略で、生体を透過したX線をこのFPD検出器で受け取り、デジタル信号に変換することによってレントゲン写真を得る装置です。従来の装置(CRシステム)と比べて、低被ばくで高画質な画像を得ることができます。 KONICA MINOLTA社製のDRパネルは無線通信で可搬性に優れており、高速で安全かつ快適な作業性を特徴とします。X線曝射後1秒台で画像を確認でき、カセッテの交換も必要ないため、患者様の体位変換の負担軽減にも繋がっています。 GE社製の一般撮影装置では、胸部写真で使用できる『デュアルエナジーサブトラクション』という機能があります。これは、骨を除いた軟部組織画像、及び骨組織画像を作成することができ、骨や外部組織、石灰化異常などの描出に優れています。また、これまで煩雑であった長尺撮影を全自動化でき、瞬時に合成できることも特徴の一つです。

CT検査

Canon社製320列CT『PRISM』 2022年9月導入

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320列CTとは

320CTADCTArea Detector CT)とも呼ばれ、列数が多いほど一度に撮影できる範囲が広くなります。現在臨床で使用されているCT装置では320列が最高で、1回転のスキャン(0.275秒)で160mmの範囲の撮影が可能です。脳や心臓は、寝台を移動させることなく1回転のスキャンで撮影することが可能となり、被ばく線量や造影剤の使用量を減らすことができ、動きによる影響も少なくなります。また、新しい画像構成技術の搭載によりノイズを低減し、従来の装置より少ない被ばく線量での検査が可能です。心臓や高度な3D画像の作成をするためのワークステーション(ZIO Station)も充実しており、診断に有用な画像を提供することができます。

当院ではこの320列CTとともにGE社製の256列マルチスライスCTも稼働しており、320列CTと同レベルの画像を提供しています。この2台のCT装置を検査目的や部位に応じて有効に使用することで患者様への待ち時間や被ばく線量を最小限にできるように心掛けています。

GE社製256列CT『Revolution CT』2022年3月導入
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MRI検査

Philips社製 『 Achieva 3.0T TX』 2012年7月導入

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MRI検査とは

Magnetic Resonance Imaging System(磁器共鳴画像)の略称です。

X線を使わずに、強い磁場と高周波パルスを使って撮影する画像診断装置であり、特に椎間板・半月板・靭帯・筋肉などの軟部組織の描出に優れています。

当院のMRI検査では一般的な装置に比べ磁場強度が非常に強い3.0T(テスラ)の装置を使用しています。多くの検査において、より良好な画像を得ることが可能となっています。

検査時間は平均で20分ほどかかり(造影検査を除く)、動きには非常に弱いため、できる限り静止していただく必要があります。撮影時には、かなり大きな音が発生し、狭い空間での撮影となります。大きな音に対しては、耳栓やヘッドフォンなどを装着していただいています。また、狭い空間が苦手な方は、その旨申し出てください。姿勢が辛い場合や、環境的に我慢ができない患者様に対しては、緊急呼び出しブザーを持っていただくなどの対応をとっています。

※強い磁石と電波を使用していますので、当院ではペースメーカーを埋め込みされている方は検査ができません。また、脳動脈瘤クリップ、人工心臓弁など体内に金属性のものを埋め込まれている方は、検査ができない場合があります。事前に手術をされた施設でご確認いただく必要があります。一部、治療用貼り薬も発熱する可能性のあるものがあり、持ち込みできない場合がありますので事前に申告をお願いいたします。

X線透視撮影装置

X線透視検査とは、X線を使用して人体を透視することによって、内臓や骨の様子を調べる検査です。胃や大腸などの消化管検査や、骨の脱臼や骨折の整復・固定をする際などに使用しています。当院では日立メディコ社製の『CUREVISTA』、島津製作所社製の『SONIALVISION G4』の2台で透視検査を行っています。両者ともフラットパネルディテクターを採用した、新世代のX線透視装置です。以前と比べて低被ばくで、高画質な画像をリアルタイムで見ながら検査や処置を行うことができます。

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島津製作所社製『SONIALVISION G4』 2015年4月導入(右装置)
血管造影装置
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血管造影検査とは、血管へ1~2mm程度のカテーテル(細い管)を挿入し、そこから造影剤という薬剤を血管内に注入し、目的の血管だけを撮影する検査です。

この検査では、出血や梗塞などの原因や発生部位を調べることができ、必要に応じて血管内治療も行っています。そのほかに、血管の形状、奇形、走行異常を調べたり、腫瘍の精密検査としても行われます。

検査部位によって心臓カテーテル検査、腹部血管造影検査、シャント血管造影検査などを主に行っています。

201912月にIVR対応の血管撮影X線診断装置 PHILIPS社製「Azurion 7 C20」を導入しました。

この装置は対角20インチの検出器を搭載し高画質な画像を提供することができ、あらゆる領域をカバーするとともに多彩な角度からのアクセスによって、理想的な治療のサポートが可能となっています。

2022年4月には、心臓インターベンションに最適なPHILIPS社製「Azurion 7 B12/12」が導入されました。

この装置では一度に、2つの方向から撮影することが可能で、造影剤の使用量を減らす事が出来ます。

また、最新の画像処理技術を搭載しており、あらゆる体格の患者様に対して少ないX線照射で優れた画像を提供し、理想的な治療のサポートが可能となっております。

マンモグラフィ
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マンモグラフィとは乳房撮影専用のX線装置を使用して乳房をはさみ、薄く引き伸ばして撮影を行う検査です。

近年、女性におけるがん罹患率は乳がんが第1位で、壮年期(4064歳)でのがんによる死亡原因も乳がんが第1位となっています。乳がんは早期発見が重要な病気です。他のがんに比べ増殖のスピードがゆっくりであることが多く早期に治療を行うことができれば9割近くが治るとも言われています。乳がんの早期発見に有用とされているマンモグラフィの定期的な検査をお勧めしております。

当院には20216月よりデジタル乳房X線撮影装置GE社製Senographe Pristina(セノグラフ プリスティーナ)が導入され、従来の装置と比較して、少ないX線量でより鮮明に病気を描出することが可能となりました。精密検査ではトモシンセシスと呼ばれる3Dマンモグラフィ撮影を行っており、乳房を立体的(断層像)に観察することで、正常な組織との重なりを避け、より細かな病気を見つけることが可能です。

当院ではマンモグラフィ検査は全て女性技師が担当しており、安心して検査を受けていただけるような環境作りを大切にしております。

骨密度測定装置
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骨密度は骨の強さに大きく関係しており、骨粗鬆症の診断や治療の経過観察の際に測定を行います。

当院ではX線骨密度測定装置 GE社製 PRODIGYシリーズ『PRODIGY Fuga-C』を1台設置しています。

(2020年3月に更新しました)

主な測定部位は、骨密度測定の標準方法である腰椎と、骨折の好発部位でもある大腿骨頚部で、2種類のX線エネルギーを使用することにより、正確に、少ないX線量で検査を行うことができます。

骨粗鬆症とは、骨の内部がスカスカでもろくなり、骨折をしやすくなってしまう状態のことです。食生活や運動の習慣などが大きく関わってきますが、特に閉経後の女性の場合、ホルモンの関係で骨密度が低下する傾向があります。一度ご自身の骨密度を測定してみてはいかがでしょうか。
手術室用Cアームイメージ装置

Cアームイメージ装置とはX線を使用して人体を透視する装置です。 当院では主に外傷センター・整形外科の手術で使用しています。 汎用性に優れているPHILIPS社製の『Endura』2台、『Libra』1台、術中断層撮影が可能で主に骨盤や脊椎などの手術に使用されているSIEMENS社製の『ARCADIS Orbic 3D』1台、手指などの小さい被写体をより鮮明に被ばくを少なく透視できるGADELIUS社製の『ORTHOSCAN』1台、2022年の9月に導入されたGE社製最新のFPD搭載型で、従来の製品より低線量・高画質が実現された「OEC Elite」1台の合計6台を手術内容にあわせて使用しています。

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医療被ばく豆知識
  • 放射線とは?
  • 病院などでよく使われている放射線はX線です。X線は,電波や光,または紫外線などと同じ電磁波でありその違いは波長の長さです。したがって電波や光と同様に体や空間に残ることはありません。放射線の仲間にはエックス線のほかにα(アルファ)線,β(ベータ)線,γ(ガンマ)線などがあります。
  • どのくらい被ばくするの?
  • 日常生活の中では自然放射線を受けます、例えば大地や建物の壁材からの放射線、地球の外から降りそそいでいる宇宙線、人間の体内や食べ物に含まれている自然放射性物質、空気中のラドン等を含む自然界から様々なかたちで存在します。
    自然界から私達は、全身に平均すると一年間に2.1mSvの放射線を受けています。自然放射線の量は地域によって異なります。大地からの放射線による影響の多いブラジルやインドのある地域は、日本の数十倍を越えるところも少なくありません。しかし、その地方に障害が多いとか病気が多いという報告はありません。

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  • X線検査をするための原則は?
  • X線検査では、患者様への被ばくに制限はありません。しかし検査を行うにあたって国際放射線防護委員会(ICRP)では2つの大切な勧告をしております。
正当化の判断

正当化とはエックス線検査にあたりその検査がプラスの結果を生じるものでなければ行っていけないこと、つまり診療や集団検査で検査を受けることによって得られる利益(メリット)が放射線被ばくによって生じる危険度(リスク)より上回っていることです。日本では医師、歯科医師がこの判断をします。

最適化の判断

医療被ばくの最適化の判断とは、放射線診療を実施するときに、患者・被検者個人および集団の被ばく線量を、放射線診療の価値を損なわない範囲内で最小限にすることです。最適化の判断は医師、歯科医師、診療放射線技師となりますが、特に診療放射線技師は重要な役割を担います、必要な効果が得られる最小限の被ばくにするまで減らすことやできるだけ最小限の範囲を照射することは基本の心得として検査を行っております。



  • レントゲン写真を頻繁に撮っても大丈夫?
  • X線検査の線量は非常に少ないので、放射線の影響を心配されるよりも病気や怪我を早く発見し早く治療するほうが患者さんにとって大きな利益であると考えます。安心して検査をお受けになってください。
  • 放射線と放射能は違うの?
  • 放射線とは広い意味では全ての電磁波と粒子線のことを言います。主な放射線の仲間としてはアルファ線、ベータ線、ガンマ線、X線、中性子線などがあげられます。
    放射能とは放射線をだす能力のことをいい、このような性質をもつ物質は放射性物質と呼ばれヨウ素131、セシウム137、ストロンチウム90などがあります。
  • 妊娠中のX線撮影は胎児に影響ある?
  • 下表は放射線被ばくによる胎児への影響を示したものです。しきい値は100mGyとなっていますが、この数値は胎児に影響がでるかもしれない最低線量を示すもので必ず影響を及ぼすということではありません。X線検査での胎児の被ばく線量は胸部X線写真で0.01mGy以下、腹部X線写真では1.4mGyと報告されていますのでほとんどの場合影響はないと考えられます。
胎児の時期 受精後の日数 放射線の影響 しきい値(mGy)
着床前 受精~9日 胚芽死亡(流産) 100
器官形成期 3~8週 奇形 100
胎児期 8~15週 精神発達の遅れ 300

  • 子供がレントゲン検査やCT検査を受けて大丈夫?
  • 身体が成人より小さいので、その、撮影に必要なX線の量も少なくなります。又、撮影時はできるだけ照射範囲を絞ることを心がけておりますのでX線による影響を心配する必要はありません。
  • X線検査は遺伝に影響する?
  • これまでに人間で放射線による遺伝的影響が生じるという事実は確認されておりません。ただし、動物を用いた実験では立証されておりますので,このデータを用いて人間の場合の遺伝障害を推測することができます。
    放射線による遺伝は,両親のどちらかが1mSvの放射線を被ばくしたとき、その子供や孫に現われる重い遺伝障害の生じる確率は100万人に4人以下と推定されています。また、放射線以外のさまざまな因子によって10人に1人は何らかの遺伝障害をもって出生するといわれていますので,放射線による障害はこれに比べるとかなり低いといえます。この障害は,生殖線の被曝だけが対象となり,その他の被曝は遺伝には関与しません。
  • X線検査で発がんするのですか?
  • X線検査をすれば必ずがんになるというわけではありません。白血病やがんは確率的影響と言いこの量以下なら大丈夫という境目(しきい値)はありません。(がんは被ばくしなくとも起こりえる疾病)
    X線検査による被ばく量では、がんになる確率が高くなるはっきりした証拠はありません。
    一方、短期間の被ばく量がある量(しきい値)を超えると起こり始める症状があり、これを確定的影響と言います。急性障害と晩発障害のうち白内障などがその例で、しきい値を超えて被ばくすると、線量が大きくなるにつれて症状は重くなっていきます。
短時間被ばくでの主な確定的影響としきい値
影響 しきい値(mGy)
白血球減少 250
悪心、嘔吐 1000
皮膚の紅斑 3000
脱毛 3000
無月経、不妊 2500~6000
胎児の奇形 100
白内障 5000
皮膚の潰瘍 20000以上

  • 放射線の単位がよく解らないのですが?
  • 医療で主に用いられる放射線の量を表す単位は、吸収線量の単位であるGy「グレイ」と放射線防護上で用いられるSv「シーベルト」を使用しています。Svは放射線防護分野で決められた線量を表す単位で、実効線量と等価線量に分けられます。
Gy(吸収線量) 放射線から受けるエネルギーの量
Sv(実効線量) 体全体への生物的影響をはかるために用いられる単位
Sv(等価線量) 各組織・臓器の局所被曝線量を表すために用いられる単位