薬剤部には、調剤室、注射薬調剤室、製剤室、医薬品情報室、治験薬管理室があり、 私たちは、調剤、医薬品の供給と管理、品質管理、医薬品情報の収集と提供、服薬説明などを行っています。それ以外にも抗がん剤や高カロリー輸液の無菌調製、薬物血中濃度の測定などを行い、医薬品が適正に使用され、患者さんにより安全で効果的な薬物治療が行われるように様々な業務に取り組んでいます。 また、医師、看護師とともにチーム医療として治療に必要な情報の提供を行い、医薬品の安全確保と適正使用を推進しています。 |
内用・外用調剤業務
全自動錠剤分包機に加え、調剤支援システム・散剤監査システム・水剤鑑査システム・ |
注射薬の払い出しには注射薬自動払い出しシステム(アンプルピッカー)を導入しています。 アンプルピッカーからは処方ごとに処方箋、注射薬、輸液用ラベルが個人用トレーにセットされて出てきます。 調剤の前には、配合変化、相互作用、投与経路、投与速度などを確認し、疑問点がある場合は医師への問い合わせをしています。 また、注射剤調剤時には調剤支援システムを使用することにより安全面に重点を置いた業務を行っています。 |
TPN(高カロリー輸液)製剤調製業務
無菌製剤室にてTPNの混注を行なっています。
TPNとは、栄養を経口摂取できない患者さんが点滴にて1日に必要な栄養を摂るための輸液です。
操作は無菌製剤室内のクリーンベンチにて無菌操作を行い、混注します。入室にあたっては無菌製剤室前にてガウン、マスクなど装備してから入室します。
病棟薬剤業務
9病棟全てに専任の薬剤師を配置し、持参薬の確認、副作用モニタリング、カンファレンスへの参加など薬学的管理に取り組んでいます。
業務の拡充や業務内容の見直しを行い、2019年10月より病棟薬剤業務実施加算の算定を開始し、病棟ごとに分かれて業務にあたっています。
医薬品管理業務
医薬品管理業務は医薬品の購入や病院内にある薬剤の在庫管理などを行っています。
病院内にある全ての薬剤の定数や期限の確認を定期的に行うことで医薬品の品質や適切に配置されているかを確認しています。
当院における医薬品情報管理室では、副作用報告や医薬品情報を院内WEBシステムで、他の医療従事者と速やかに情報共有が出来るよう情報の更新を行っています。
病棟担当薬剤師と週に1回、カンファレンスを行うことで医薬品の使用状況や副作用情報を把握しています。当院で開発された薬局業務支援システムを運用することにより、病棟担当薬剤師が病棟からも情報の報告ができるようになっており、報告された情報を医薬品情報管理室で内容の確認と承認を行い、常に最新の情報が閲覧できるようにしています。
また、医療安全委員会とも連携し、医薬品の安全使用に向けて情報の提供も行っています。
薬物を有効かつ安全に使用するために、患者さんの血液中の薬の濃度が測定できたら、迅速に解析ソフトを用いて一人一人に最も適した投与スケジュール(投与量や投与時間)を設計して、その情報を医師に提供しています。
バンコマイシン使用患者には、全症例に対してTDMを行っています。
当院では、誰でも参加することのできる無料の公開講座を開催しています。
様々な職種による講演がありますが、薬剤師も「薬の上手な飲み方・飲み合わせ」「高血圧と薬」「薬に関するよくある質問」「耐性菌にご用心」などの講演をしています。
薬学生の病院実務実習
実務実習では各期4名の実習生を受け入れています。当薬局では7名の実務実習認定指導薬剤師の資格取得者がおり、実習終了後に担当指導薬剤師が日報を確認しながらその日の実習内容について実習生とディスカッションを行っています。
また、代表的8疾患への関わり方をテーマに専門的な知識を持った薬剤師からの講義や、病棟における薬剤師の活動、病棟カンファレンスへの参加をしてもらうことで、少しでも臨床の場において多くのことを経験できるようにしています。
がん化学療法
化学療法センターや病棟にて化学療法を行なう際に投与される抗がん剤の混注を行なっています。 調整時にはCSTD(閉鎖式薬物移送システム)を全面導入しており、院内の投与ルートも全てCSTDを導入することで医療従事者の安全にも寄与しています。 また、調整前に患者さんの体重、体表面積、臨床検査値、アレルギー歴等の基本情報を基に投与量や投与スケジュールの確認、がんカンファレンスに参加し支持療法の提案や情報共有、患者さんに薬剤師が薬の説明を行なうことにより有効で安全な治療ができるように努めています。 |
札幌徳洲会病院がん化学療法レジメン集
札幌徳洲会病院で使用しているレジメンの一覧です。(随時更新)
投与量や投与スケジュールは患者さんの状態に応じ変更する場合もあります。
*無断転用は禁止とさせて頂きます。無断転用による責任は負いかねます。
患者様のレジメンに関する情報、状況などの相談は当院までご連絡下さい。
また、トレーシングレポートを使用した情報提供に関してはFAXにて対応させて頂きますので、当薬局までご連絡ください。
電話: 011-890-1110 (代表)
薬薬連携研修会
がん薬物療法(レジメン)に関する研修会を実施しています。感染防止の観点および利便性を鑑みて、リモート会議ツールを利用したオンライン研修会とさせていただいております。2021年度の開催予定、詳細は下記よりご確認ください。
- 第1回 2021年11月12日(金)18:30~(終了)
- 第2回 2023年3月22日 (金) 18:30~(終了)
抗がん剤の治療を円滑に進めるためには、副作用の管理がとても重要となります。内服薬では服薬アドヒアランスが向上しなければ、薬剤の治療効果を十分に得る事はできません。
当院では2022年4月から薬剤師外来を開始しました。
抗がん剤治療が開始される患者に対して、処方内容や検査結果を確認し、医師との診察の前に薬剤師による問診を行います。その問診での情報や副作用に対する薬物治療の提案等を医師へ伝えることで処方支援を行っています。
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当院ではI C T、ASTに3名の薬剤師が所属しています。
医師、看護師、検査技師と連携しながら、"患者アウトカムに繋がる感染制御、抗菌薬適性使用の実践"を目標に積極的な介入を日々行っています。
特に、A S Tカンファレンスでは"薬剤師が主導"となり、感染症治療に対する活発なカンファレンスを毎週実施しています。
主治医からの依頼により低栄養患者さんの栄養管理を行い、毎週木曜日に医師・栄養士・言語聴覚士・看護師とラウンドを行っています。
薬剤師として、低栄養患者さんの薬剤を把握し、必要であれば嚥下障害を引き起こす薬剤の中止、病気により食欲低下している患者さんへの薬剤、経口摂取困難な患者さんへの経管栄養、点滴の処方などの提案などを行っています。
その他、NST勉強会の開催、NST便りの発行を行っています。
高齢になるにつれて骨が脆くなり、ふとした衝撃で骨折しやすくなります。特に大腿骨近位部などは骨折しやすく、一度骨折すると二回目以降の骨折(二次骨折)の危険性が高まることが知られています。
その二次骨折を様々な医療職種の連携により予防する取り組みをFLS(骨折リエゾンサービス)と言います。
薬剤師も骨折外傷で入院された患者さんから、対象患者の特定、骨粗鬆症治療薬の服薬歴の確認・投薬の提案、退院後の処方薬の情報提供などにおいて、医師やその他の医療従事者と連携を取りFLSの取り組みに尽力しています。
麻酔に従事する専任の常勤医師、手術後の患者の疼痛管理に係る所定の研修を修了した専任の常勤看護師、同研修を修了した専任の常勤薬剤師の3名以上で構成される手術後の患者の疼痛管理に係る術後疼痛管理チームです。
術後の痛みがやわらいでいるか、鎮痛薬の効果や副作用を評価して術後鎮痛の処方の見直しを行うなど、術後の鎮痛がよりよいものとなるように努めています。
当院での糖尿病療養指導におけるチームとしての薬剤師の役割として、糖尿病委員会で企画運営や、糖尿病デーのイベントや糖尿病教室などでも患者指導を行っています。
また、当院の特徴としてインスリン手技の指導に早期から薬剤師が介入しています。早期から薬剤師が介入することで手技だけでなく、患者さんの薬剤や病気に対する知識を深めて頂くよう努めています。
当院では、糖尿病について正しく理解して頂くため、誰でも参加することのできる糖尿病教室を開催しております。わかりやすく楽しく学べますので、お気軽にご参加ください。
※現在新型コロナウイルスの影響により、中止させて頂いております。
再開につきましては改めてアナウンスさせて頂きます。
透析
血液浄化センターにて、外来維持透析患者の薬物療法の管理に取り組んでいます。
主な業務は定期薬の配薬を全ての患者に行いコンプライアンス状況などを把握し、看護師や臨床工学技士とカンファレンスを行い、情報を共有しています。
また、透析導入を少しでも伸ばす取り組みとして腎臓内科かかりつけの外来患者さんへの薬物療法の提案を行っています。
認知症ケア
医師、認知症認定看護師、リハビリテーション科、ソーシャルワーカーと共に認知症ケアチームの一員として薬剤師も参加しています。
主な役割は抗認知症薬や眠剤、向精神薬の調節や新規処方の提案です。
患者さんのことはもちろん、家族や介護者、ケアを行う看護師の事も考えながら適切な薬物治療が行われるように、薬の専門家として医師・看護師へ助言を行っています。
急性中毒情報提供業務
救急外来にてチーム医療の一員として、医薬品、家庭用品、動植物、食物、工業用品、農業用品、ガスなどのさまざまな化学物質や自然毒による急性中毒事故に対して、原因物質の毒性や中毒症状、治療法などの情報を医師や看護師に提供しています。
その他、事故防止のためにパンプレットを作成して病院内にて配布しています。
徳洲会グループでは、医療スタッフが十分に確保できないグループ病院に対して、多職種のスタッフが応援業務を行っています。
当院の薬剤師も応援業務を行い、僻地医療に貢献しています。
災害医療
徳洲会グループ独自の災害派遣チームTMATを結成し、国内外での災害に対し救援・支援活動を行っております。
また当院はAMAT(全日本病院医療支援班)チームを結成しており、災害発生時には、医師、看護師含め多職種と共に2名の薬剤師がロジスティックとしてチームに加わり支援活動を行っております。
専門資格所有職員
資格名称 | 資格者数 |
日本病院薬剤師会 妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師 | 1名 |
日本病院薬剤師会 がん薬物療法認定薬剤師 | 1名 |
日本病院薬剤師会 病院薬学認定薬剤師 | 5名 |
日本病院薬剤師会 認定指導薬剤師 | 1名 |
日本化学療法学会 抗菌化学療法認定薬剤師 | 1名 |
日本薬剤師研修センター 研修認定薬剤師 | 1名 |
日本薬剤師研修センター 認定実務実習指導薬剤師 | 8名 |
日本薬剤師研修センター 小児薬物療法認定薬剤師 | 1名 |
日本医療情報学会 医療情報技師 | 1名 |
日本病態栄養学会研修修了 | 1名 |
全日本病院協会 AMAT隊員 | 2名 |
日本アンチ・ドーピング機構 公認スポーツファーマシスト | 5名 |
医療安全管理者 | 2名 |