リンパ浮腫の治療について
診察時間
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リンパ浮腫とは?

四肢において様々な原因により、本来リンパ管によって体の中枢部に運ばれるべきリンパ液が皮下組織内にたまってむくんでしまう状態です。その原因の一つとして乳癌や婦人科系の癌(子宮や卵巣の癌)において大きな手術を行った後などに生じることがありこれは、本来流れていくべきリンパ管が、手術によって流れがせき止められてしまうことにより生じます。他の原因としては、先に述べたような手術などの経験がない人に起こるもので、生まれつきリンパ管の働きが悪い人やフィラリア感染(日本ではほとんどありません)といったものがありますがいずれも頻度は少ないです。

どんな治療があるの?

まずは複合的理学療法とよばれる保存的治療が第一選択です。簡単に説明するとリンパドレナージのためのマッサージ、圧迫療法の組み合わせです。圧迫療法は専用の筒状包帯等を購入していただき行いますが、毎日の処置も大切であるため、ご自宅で継続していけるよう指導、サポートを行っていきます。
保存的治療でなかなか効果が表れない場合は、圧迫療法の効果を高めるための外科的治療(リンパ管静脈吻合術)を行います。

dep19_img.jpg 四肢の浮腫にはリンパ浮腫以外にも様々な原因による浮腫があります。治療の前には正しい診断が必要であり、上記の治療の適応とならない場合もあります。
下肢の浮腫にはリンパ浮腫以外にもさまざまな原因があります

「浮腫」自体はリンパ管の機能障害以外でも起こりえます。例えば心不全など、心臓の機能が低下している状態では血液の循環が悪くなることにより下肢に浮腫を生じます。甲状腺機能の低下や腎臓の機能低下などでも浮腫を生じることがあります。麻痺がある方などでは麻痺のある側の筋肉が使用されなくなることでも浮腫を生じやすくなります。日中座っている姿勢が長い(下肢の麻痺があるかたなども当てはまります)場合もやはり浮腫を生じます。程度が軽い場合は若い方でも「むくみ」として自覚される方も多いかと思います。また、肥満も下肢のむくみの原因となりえます。これらの浮腫については、主に内科的な診療が必要となることが多いため、まずはかかりつけの病院などで一度相談していただくのが良いと思います。