「冬の通勤」 宮城 登
2017年02月20日
私は病院には地下鉄を利用して通勤しています。自宅から地下鉄駅までは徒歩10分位です。夏場はほんの散歩にもならない距離で問題はありませんが、冬になると度々難渋することがあります。今年の様に真冬日が続くと、歩道の雪はカチカチの氷となり、滑らないようにゆっくり歩く必要があります。

一応、歩道には滑り止めの砂が撒かれていますが、場所によってムラがあり、途切れているところがあるので常に足元を確認しながら歩くことを余儀なくされます。さらに、最大の難関は横断歩道です。発進時のタイヤの空転によって磨き上げられたミラーバーンは最も歩行に注意を払う場所と考えています。したがって、私は冬には歩行者信号が点滅を始めた場合には、その横断歩道には進入しないで停止し次の信号を待つことを信条としています。先日も、小走りで横断歩道に突入した学生が転倒したのを目撃したばかりです。

一方、気温が上昇すると雪はとけてザクザクの湿雪となり、所々に水たまりもでき、それもまた歩きにくいものです。地下鉄の運行は天候にかかわらず正確ですが、歩行速度の低下は否めません。その分、早めに家を出るようにしてはいますが、時に乗車予定の電車が発車するのを駅の階段から眺めていることになるのは楽しいことではありません。

投稿者整形外科部長 宮城 登
「虫垂炎になってしまった」 片田 竜司
2017年02月13日
つい先日、虫垂炎になってしまい、手術をするはめになってしまったので、そのときのことを書こうと思います。

数日前から、なんか体調がわるく、だんだん腹痛も強くなってきたので、詳しく検査してみたら、なんと虫垂炎でした。虫垂炎はそんなに珍しい病気ではなく、誰もがなる可能性はあるので虫垂炎になったとしても、なんら不思議ではないのですが、いざ自分がなってみると、「まさか自分が」との思いが強く、なんかはずれくじを引いたような気分でした。

考えてみれば、生まれてこれまで大きな病気もしてこなかったので、「本格的」に病院にお世話になるのは、初めてのことで、よく知っている内科の先生の診察に始まり、造影CT検査、麻酔、手術など初めてのことだらけで、麻酔から覚めるときの寝起きと少し違った妙な感覚とか、術後の大変さとか、患者さんの気持ちが少しは理解できた気がします。わたしの場合、腹腔鏡手術だったので、術創はおへそに小さな傷があるだけなのですが、術後はこれがけっこう痛くて、腹筋を使う動作がつらく、咳やくしゃみなんかしようものなら最悪です。また、今回の経過中、食事がほとんどとれなくなってしまったことで低栄養になってしまったらしく、血液データに思いがけない異常値がでてしまいました。まあ、よくいわれることですが、今回いろいろ経験してはじめて健康であることののありがたさが思い知らされました。それにしても虫垂なんてほんの10センチ足らずの、しかも消化にはほとんど関与しない、どうでもいいオマケみたいな臓器のくせに、ここまで体調をくずされるとはおそるべしです。

その後は、順調に回復し数日の入院ののち、今は元気に仕事に復帰できています。お世話になった先生方、病院スタッフのみなさま、本当にありがとうございました。

投稿者放射線科部長 片田 竜司
「肺癌学会に参加して」 伊藤 喜代春
2017年02月06日
昨年の暮れにひさしぶりに、肺癌学会に出席する機会があった。

開催地が、北九州の博多でもあり、20年以上ぶりでもあり、楽しみでもあった。12月の19日から21日まで開催されが、寒い北海道と違い北九州は、心地よい暖かさで観光地にも行きたい気分になったが、そうも行かず、ホテルに向かった。そのホテルは、その当時、新聞、テレビでにぎわした駅前どおりに面した地下街が崩落した場所にあった。何か不安な感じがしたが、滞在時は、何もおこらず、一安心した。

ここ十数年程は、肺癌患者さんの診断には関わってきたが、呼吸器科一人になってからは、治療には関与せず、ほとんどの患者さんを北海道がんセンターに紹介している。その故、肺癌治療の最先端の診断、治療がどこまで進んでいるのか、興味津々であった。

近年の肺癌治療は、画期的な展開をみせている。従来の抗癌剤と違って分子生物的薬剤としてイレッサが開発されて以来の薬剤である。免疫チェックポイント阻害であるオプジーボである。この薬剤は、最初は、皮膚癌(メラノーマ)の治療薬として1995年に開発されたが、その後、肺癌、腎臓癌に適応を広げている.治療効果は、従来の抗癌剤と比較すると5年生存率は、20%程、高くかなりの治療効果がみこめる。しかし、数回投与して完治するわけでは無い。2週間に1回点滴するが、患者さんが亡くなるまで治療を継続する。最近は、胃癌の治験も始められているようだ。

この薬剤は、従来の抗癌剤と違って正常細胞を破壊すること無く、癌細胞のみを破壊する。その作用機序は、かなり複雑である。重篤な副作用としては、間質性肺炎があるが、慎重に投与すれば、致命的な問題は避けられるようだ。
問題は、この薬剤が、高価格であることである。オブチーボは、100mg73万円で体重60キログラムの患者さんが、1年間使うと薬剤費は、約3500万円になる。オポジーボは、やがてやってくる超高額薬時代の入り口にすぎない。将来、社会保障費の高額薬剤の比率が上がってくると国民皆保険制度が、崩壊することにもなりかねない。

投稿者内科医師 伊藤 喜代春
「銀杏と中毒」 大島 美保
2017年01月30日
 秋深くなると平地でも紅葉が美しくなり、犬の散歩も楽しみになります。今シーズンは降雪もはやく、赤や黄色に白が映えて目の保養でした。公園のイチョウ並木では、近所のご夫婦なのかレジ袋片手に仲良く銀杏を拾っている姿が微笑ましい感じでした。

 イチョウの実、銀杏は鮮やかな黄色でサクランボみたいに丸くて可愛らしいのに、一種独特の悪臭を放つため、その季節になると周辺は『ん?』と眉をひそめたくなる空気が漂います。私の子供の頃は自宅の石油ストーブの上に金網を載せて殻ごと煎ることもありましたが、臭いし不味いし全く好きになれませんでした。それなのに、年を経るとどうしてこうも嗜好が変わるのでしょう。焼き鳥屋で塩焼きをみつけると注文し、茶碗蒸しにはアクセントとしてなくてはならないと感じるようになりました。

 しかし、食べ過ぎは禁物!銀杏を多量に食べると中毒症状が出るので注意が必要なのです。銀杏には、体内で補酵素として働くビタミンB6と構造が似る物質が含まれていて、それがビタミンB6の作用と競合するために、結果として脳内伝達物質のGABA産生を抑制し、嘔吐、意識障害、けいれんを引き起こすようです。なんだか難しい話になりましたが、食用なのに食べ過ぎると中毒になるのですね。その中毒量は小児で7?150個、成人で40?500個ということです。しかし幅があり過ぎ!?で、なんだか気になります。少し調べてみました。一歳児が20?50個食べて痙攣発症が数例、引きこもりの20代男性が50個で痙攣、50代男性が150個を酒の肴にして痙攣、などの症例報告があり、昔は死亡例もあったようです。あの癖のある実を、幼児がよくそんなに食べられるものだ、と驚きますが、体の小さい小児にとって危険なのは納得です。年の数以上は食べないようにした方が無難です。ちなみに加熱しても毒性はかわりありませんのでやはり注意が必要ですね。

 本格的な冬になってからは、銀杏もひと雪ごとに落下していきました。時々落ちていないかチェック!10個も拾えたら大収穫でちょっと嬉しい。我が家では一人10個まで、と決めて塩焼きにして楽しみました。

投稿者小児科医師 大島 美保
「海」 城田 誠
2017年01月23日
私は小樽の生まれで小さい頃は海のすぐ近くで育った。幼少期はかけっこで1分。夏は毎日、家から裸足でとびだし海へザブンと飛び込んだ。祖父が漁師であったため祖父母や母も毎日海へ行くから、私が海へ毎日行くのも当然だった。おかけで4歳の頃には浮き輪なしで泳いだり潜ったり。

その後小学校入学前に祖父母宅から引っ越したが、やはり海までは10分。少年野球をしていたが、夏休みは練習のあと毎日海へいって汗を流す??のが日課だった。中学生になっても海水浴。

高校生になると毎日海には行かないが、家から2-3分歩いた小高いところからは毎日海を眺めることができた。

大学に入り旭川へ。さすがにこれだけずっと海の近くにいたので、海のない町へ行くとしばらくは落ち着かなかった。たまに小樽にかえると海があり安心できた。

大学を卒業して札幌へ。さすがに研修医は忙しくあまり海にはいけない。夜にドライブでたまに見る程度。

その後沖縄にほど近い離島医療を2カ所で経験することができ、また海が身近にあった。一つ目の離島は妻と暮らし、二つ目の離島では長男も一緒だった。南国の海は北海道のそれとは違い非常にきれいだった。やはり海と潮の香りで心がおちつく。

我が家では妻も息子も娘も皆南国好きである。今までの家族旅行のほとんどは南の海だ。家族は単に南国が好きなのだろう。私は南国の雰囲気も好きだがやはり海がおちつくのだ。

またいつか海の近くに住みたい。潮の香りと心地よい波の音に囲まれて。

投稿者外科医長 城田 誠