最近、audiobookと言うナレーターが本を朗読した「聞く本」をアマゾンでCDで購入して聴き始めました。
車に乗っている時だけなのですが、隙間時間ではありますが積算すると意外と結構な時間聞く事が出来ると実感しています。
手始めに「平家物語」を聞いています。
あの「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。」で始まる物語です。
高校生の時に古文で諳んじた一文ですが、実は私の中では「平家物語」はそこで止まっていました。
物語の入り口の手前を通り過ぎていただけでした。
平家全盛の時代もわずかな期間でありましたが、平 清盛に繫がる平家一門の繁栄の様子が窺える「平家に非ずんば人に非ず」に代表される平家の人が発した言葉には滅びに繫がる危うさが潜む響きが既に在ると感じます。
そのような栄華の頂点から源氏に追いつめられて遂には壇ノ浦で滅びるまでの流れが語られている物語ですが、正に「聞く本」として物語ほど相応しいものは無いと感じ入ることしきりです。
原本も持ってはいるのですが、上巻すら読み通すのが困難と感じて一つの壁の高さを感じていて結局読まないままで放置していたのですが、audiobookで良く聞き取れなかったり、意味が掴めなかったりした部分を原本に立ち返って読んでみると、薄ぼんやりとした光景がまざまざと明らかになって来る様子も感じ取れていつのまにか原本も虫食い的ではありますがかなりの部分を補足的に読み込んでいる自分に気付いたりします。
通勤時間が主体ですが、原本を紐解くのは帰宅後のほんの数分間位なものですが、ちりも積もればで意外と読めてるなあと直登パターンの独立峰の登山中にふと下の方を振り向いてその標高差に気付く感覚に近いものを感じます。
「聞く本」の利点としてはナレーターの朗読の仕方そのものが優れている点が挙げられますが、やはり物語っている雰囲気が伝わり易いところは独りで本を読み込む時には得られない良い点かも知れません。
全貌を概観する点で、まず聞いてみるというのはとても簡単なことかなと思っていましたが、やはりそれだけでは満足出来ずに原本につい踏み込んでしまうと言う点では古典を読むきっかけを創る強力な良い水先案内だと思います。
紙本の良い点は、行きつ戻りつページをあちこち容易にひっくり返すことが出来る点ですが、朗読による「聞く本」の魅力はやはりその朗読者の読み方そのものであろうと思わずにいられません。
そういう点では、現代の琵琶法師と言っても良いのかも知れません。
Audiobook恐るべし。侮るべからず。
良い夏の経験でした。
