「AIと今後の仕事」 寺館 圭佑
2023年08月16日

最近AIについての議論がテレビやネットなどで大きく取り上げられることが増えました。アメリカ映画でも年老いた俳優の若い姿をAIとCGで再現するなど、今まで不可能と思われていたことが実現しています。しかし、そうしたAIの進化に対してルールの整備が追い付いていないのが現状です。

先述した若い姿を再現する技術を用いれば、一度俳優をスキャンしてデジタルデータ化すれば、本人の意思と関係なく作品に出演させ、製作者の好きなようにセリフを喋らせることも可能となってしまう。こういった懸念と現在のサブスクと呼ばれる映像配信サービスに対する俳優への還元の少なさ・不透明さに対してハリウッドで行われている大規模ストライキのニュースを目にした方も多いと思います。この騒動がどういった結末を迎えるかは不明ですが、一つの前例を作ることになり、法整備が行われていく結果となることでしょう。

これは自分たちにとっても他人事ではないと考えます。極端な話で薬剤師としても飲み合わせの問題や薬効・薬剤の重複を発見することはAIでも可能で、もしかしたらAIのほうが効率的かもしれません。他の職種の方でも同じようなことがあるかと思います。ですが、最後に責任をもって薬剤を払い出し、患者様へお渡しするのは薬剤師の仕事です。直接患者様とふれあい、適切な指導を行うことはAIや機械にはできない仕事と思っています。

AIによる労働の変化を迎えつつある新たな時代の中でも人間として、薬剤師として何ができるのか何をするべきなのかを今一度考えながら日々の業務を行っていきたいと思います。

投稿者薬剤部副主任 寺館 圭佑