NST便り2020.8月号
2020年08月11日

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みなさん、こんにちは。

新型コロナ肺炎が未だ落ち着かない状況にありますが、いかがお過ごしでしょうか?今回は、この感染症にかかわる栄養状態の低下についてお話したいと思います。

新型コロナ肺炎は、その感染拡大により、私たちの栄養状態も脅かされています。この肺炎の特徴的な症状でもある『臭覚・味覚障害』と、私たちの生活を大きく変化させた『自粛生活』がどのように栄養状態に影響するのかをお話していきます。

ひとつめとして、臭覚・味覚障害からお話していきましょう。

この肺炎の症状として、息苦しさ、咳や痰が挙げられますが、もう1つ、特徴的な症状が『臭覚・味覚障害』です。この障害が起こるメカニズムとして、ウイルスが直接的に神経細胞へダメージを与えることで起こると考えられています。

臭覚や味覚の変化は食欲低下につながり、特に子どもや高齢者にとっては、脱水に陥りやすく、容易に栄養状態の低下につながってしまう可能性があります。

ふたつめは、自粛生活・隔離による影響です。

緊急事態宣言の中、「不要不急の外出は避ける。」、「3密を避ける」などの言葉が飛び交いました。また、学校の休校により、遠隔授業、在宅ワークなど私たちの生活は一変しました。

感染のリスクが高いと言われている高齢者だけではなく、オリンピックをはじめ、身近にあった学校の運動会や様々な行事までもが延期・中止となることにより、若年者においても活動量が減少し、生活習慣病の悪化、体力の低下が懸念されています。

病院内では面会制限、PCR検査での陰性が確認されるまで隔離された状態で、検査が陰性でも再び陽性になる可能性もあり、隔離された状況が長期化する場合もあります。

このような自粛生活、活動量や運動量の低下は、栄養状態だけではなく免疫力の低下にもつながり、感染症にもかかりやすくなってしまいます。感染症にかかると食欲低下、吸収低下などにより栄養状態が悪化するという悪循環に陥ります。

o Toトラベル事業による観客の導入など、少しずつ規制も緩和されてきた中ではありますが、まだまだ感染予防は必要です。みなさまも十分ご注意いただき、ご自愛ください。

投稿者:ICU 高橋 美和子
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