NST便り2025.11月号 「当院もGLIM基準を導入いたしました」
2025年11月06日

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2025年11月

 GLIM基準とは、Global Leadership Initiative on Malnutritionの略で、2018年にヨーロッパ、米国、アジア、南米の

栄養に関する学会により発表された低栄養の診断基準です。GLIM基準が発表されるまでは、

低栄養に関する国際的な基準はありませんでした。

令和6年の診療報酬改定で、NSTの加算を算定する場合やリハビリテーション・栄養・口腔連携体制の

加算を算定する場合で、GLIM基準を用いた評価を行っていることが求められました。

このことから日本全国の病院で、主に入院した患者様の栄養状態を評価する方法として、

このGLIM基準が使用されるようになってきています。

当院ではこれまで、低栄養の評価を行う方法として、SGA(主観的包括的栄養評価法)という方法を用いてきましたが、

上記の必要性から今年度、GLIM基準の導入を計画し、本年8月から運用を開始しています。

 GLIM基準は、スクリーニング、診断、重症度判定のステップに分かれています。スクリーニングとは

多くの患者さんの中から、栄養不良のありそうな方を大きく拾い上げることです。

GLIM基準ではスクリーニングはすでにあるツールを用いることになっていて当院ではMUST

(Malnutrition Universal Screening Tool)を使用することにしました。

MUSTは入院時の肥満度(BMI)、過去36ヶ月の体重減少の有無、入院後、絶食による治療が必要な疾患かどうか、の

項目でチェックを行います。

ここで低栄養の可能性あり、と判断された場合は、GLIM基準の診断へ進みます。ここでは「表現型基準」という、

入院までの間の意図しない体重減少の有無、低BMI、筋肉量の減少の有無と、「病因基準」という、入院までの間に

食事が摂れていたかどうか、食事の摂れないような疾患の有無、を評価します。

「表現型基準」と「病因基準」の両方の因子を持つ患者さんは「低栄養」と診断され、その後の重症度判定へ進み、

原疾患の治療やNST活動などを通じて低栄養の改善への方策が取られます。

 当院NSTでも、今回新しくGLIM基準を導入するに当たり、9月と10月の院内勉強会ではGLIM基準を

テーマに取り上げました。

当院NSTでは過去10年以上にわたって、SGAを用いて評価を行って来ましたが、新しい基準を導入し、

手探りながら活動を継続しています。

 当院に入院された患者様やご家族様には、このGLIM基準による評価のために、「入院までの間に体重が

どれくらい減ったのか」「入院前の体重は何キロだったのか」「入院前には食事は食べられて

いたのかどうか」といったことをお聞きすると思いますが、分かる範囲でよろしいので、

聞き取りにご協力いただけますと幸いです。

GLIM基準による低栄養診断のプロセス

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(今回はIBDセンター 折居 史佳が担当しました)

NST(栄養サポートチーム)

投稿者 IBDセンター 折居 史佳