NST便り2015.1月号
2019年05月29日

≪グルテンアレルギー≫

パンやピザ,ビールを摂るとお腹がゆるくなる人がいます.
日本では主に米を食するので気がつかれないこともあって,あまりグルテンアレルギーは認識されていませんが,実際には麦を含む食品に対するこのアレルギーはまれではないのです.
小麦粉などはみるからに炭水化物のかたまりと思ってしまいますが,実はかなりの量のタンパク質を含んでいます.
 
小麦粉中の蛋白質含量は6~15%で,いろいろな特性を持つ蛋白質が混在しています.これらはその溶解性の差から,アルブミン,グロブリン,グリアジン,グルテニン,不溶性タンパク質に分類されています.実際の量では,約85%がグリアジン(分子量5万)とグルテニン(50万)で占められています.両者はほぼ同量です.
この2つのタンパク質はある条件で水を介して結合し,種々の粘度と弾性を示します.すなわち食品の粘性と弾性が増し,気泡ができて,食感がとてもよくなります.パンやピザの生地を思い出してみてください.小麦粉を水でこねて発酵させるのは同じですが,形成されるグルテンの分子形態が異なるため,形態も食感も異なります.
一方で,高分子のグルテンは抗原性も発揮し,人によっては下痢が止まりません.このため,パンやピザ,シリアルを嫌う人もいるのですが,このグルテンアレルギーに対する「グルテンフリー食品」は,日本でもかなりの種類のものが手にはいります.
 
また,グルテンが摂れない人でもビールを楽しみたいこともあります.欧米ではパブやスーパーで簡単に「グルテンフリー」とかかれたビールが楽しめます.日本では"残念ながら"と思っていましたが,じつは「グルテンフリー」とうたっていないだけで「グルテンフリー」は簡単に手に入るのです.原料に麦を使っていなければいいのです.そう,つまり第3のビールという「あれ」です.たとえば「のどごし<生>®」は「グルテンフリー」ビールとしてアレルギーの人も大いに楽しめます.もっとも"真のビールではない"と,味にこだわるひとには我慢できないでしょうけど・・・・・・・・・・・

投稿者脳神経外科 黒川泰任