「ジェネリック医薬品」 東 直樹
2023年02月27日

ジェネリック医薬品とは後発医薬品であり、

先発医薬品の(新薬)の特許が切れた後に製造・販売される、「先発医薬品と同じ有効成分を同量含んでおり、(先発医薬品と)同等の効き目がある」と認められた医薬品である。

 小泉内閣2015年骨太の方針でジェネリック医薬品を推進した。郵政民政化に目がくらんだ、小泉総理大臣がジェネリック医薬品の効果を先発品と比較もなしに、医療費を下げる目的でジェネリック医薬品の販売を促進したのである。

病院としてはジェネリック医薬品を使用するとジェネリック医薬品加算がされるから、病院が儲かるため喜んでつかう傾向になった。

 ただ、先発品メーカーに聞くと、特に徐放化された薬品(1日1回の薬)は徐放化するメカニズムは教えていないようである。ジェネリック医薬品が薬の構造式をみて作っているそうである。

 胃酸を抑えるプロトンポンプ阻害剤(以下PPIと略します)がいい例である。

以前、オメプラール(PPI)が後発品に変わったとき、知り合いの循環器科の先生が

「うちの病院がオメプラールを後発品に変えたら、患者さんが効かないというのです。効き目が落ちたというのです。どうですか?」というのである。当時、私の勤務している病院は先発品しか使っていなかったので、

「そうですか?」

としか言えませんでした。

逆流性食道炎の胸やけに使用する薬(PPI)が後発品にすると胸やけが強くなるのというのである。あべこべである。

以前、津別病院に勤務していた時のことである。

食道がんで札幌のK病院外科に紹介し手術して、津別病院に帰ってきました。手術が成功して、術後の胸やけがありPPI(ランソプラゾールOD)を服用していました。「ランソプラゾールODが津別病院にないから先発品(タケプロンOD)に変えました。

その後、「先生!この薬は効くわ!胸やけがなくなった。」

と喜んでいました。

「え?同じ薬のはずなのに?」

と以前、オメプラールを後発品に変えて効き目がおちた話を思い出しました。

徐放化している薬剤が徐放化されなくて、胸やけを抑える薬が胸やけの症状が出ているようである。

すなわち、後発医薬品は先発品を模倣した合法化した模倣品と言える。特に一日一回の薬は徐放化されないので効果が短くなる?恐れがあるので注意?

ただ、先発医薬品メーカーが製造しているジェネリック医薬品AG(authorized ジェネリック)先発医薬品と同剤なので全く心配はいりません。

投稿者消化器内科部長 東 直樹