「『人』という字について」 松井 裕帝
2023年03月13日

 人という字はたった二画の文字なのにお互いがお互いを支え合って、バランスを取っている何と絶妙な字なのでしょう?

 この3年間は、我々医療業界だけでなく全世界の様々な人々がCOIVD19に影響されました。自分も然りですが。三密を避けることを徹底した時代が終わりを迎えようとしています。

 こんなに長く続くとは思っていなかったCOVIDパンデミック当初を考えると、マスク生活がすっかり当たり前になった今日この頃、携帯(スマホ)を忘れると落ち着かないのと同じくらい、外出時にマスクがないことは、今の"日本"で落ち着かないと感じてしまいます。2022年夏頃に海外の学会発表でヨーロッパに行った際は、ほぼ100%マスクなしで暮らしていることに衝撃を受けたものです。マスクをしていると何と目立つことか!

 しかし、COVID19は悪いことばかりではなくZoomなどでのwebを使ったミーティングや学会、セミナーが毎日のように開催され、日用品以外ほとんどネットで手に入れることができてしまい、在宅ワーク(我々の業界ではこれは流石にあり得ませんが)も普及した働き方改革が加速、などパンデミック以前には思ってもいなかった世の中になったものだと

 さて、あとわずかでCOVID19の扱い(2類から5類)が変わり、日常の様々なことが大きく変わっていく1年(新年度)になることでしょう。

 以前のように欲しいものを買いに出掛けて、人気商品なら列を作る必要もなく、レジでのやり取りも必要なく簡単に手に入れることができる時代、一方的に意見や考え、連絡事項を伝えるコミュニケーションツールが当たり前となり、会社のオフィスすらなくなってきた時代です。人と人とが顔を突き合わせて議論をしたり、食事をしに他人と出かけたり、すっかりなくなってしまいました。私は昭和生まれの古い人間ですが、もっと"密"な他人とのコミュニケーションが恋しいと思う今日この頃です。

 人との関わりが"疎"になってきた今こそ、他人との"密"な繋がりが必要なのではないでしょうか?

投稿者外傷センター部長 松井 裕帝
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