劇画家のさいとう たかお氏がことしの9月に享年84歳で逝去された。
1968年から始まった「ゴルゴ13」シリーズは2021年7月で単行本201巻目となり、「最も発行巻数が多い単一漫画シリーズ」としてギネス世界記録に認定された。
53年間の長きに亘って描かれ続けて来たゴルゴ13、デューク東郷は国籍不明のA級スナイパーとして世界を股にかけて活躍して来たが、サザエさんと同様に劇画の中では彼は年を取っていない(ように見える)。
デビュー当時の彼の年齢が20歳代後半位だとすると2021年には80歳近くになっているはずだ。
このシリーズを沢山読んでいるわけではない。
しかし、劇画の中では白髪が増えているわけでもなく老眼になって来ている様子も無い。運動対応能力に衰えは観られない。聴力も良さそうだ。
これから述べようとするのは、あくまでも私見であって原作者の名誉を傷つけるような意図は決して無い。
以下は、全く想定や想像の域を出ないいわゆる架空の話と捉えて欲しい。
仮にゴルゴ13、デューク東郷のような人物がこの地上に存在するとすれば、あれだけ緻密な思考と実行が可能な彼であれば年を取らない何らかの索を講じているに違いないと夢想する。
一体それらは何なんだろう?
ひとつには、かなり優秀なジムトレーナーが付いていて極めて適切なトレーニングを継続している可能性が高い。
持久力の維持のために走り込みまで行かずとも速歩くらいは毎日数kmは実践しているかも知れない。
筋トレなんかは十数種類位のメニューをこなしていそうだ。
サウナとかも使っているかも知れない。
食事も三大栄養素をバランス良く摂取しているのは勿論、天然ビタミンやミネラルの類いも適切に摂取しているに違いない。
睡眠時間も7〜8時間は取っているのではないだろうか?
アルコールは飲んでいそうだが、深酒はしていないと思う。
タバコはまだ吸っているのだろうが、機会飲酒ならぬ機会喫煙のレベルではないだろうか?
知力の維持の工夫はどうしているのだろう?
正直、判らない。NHKの教育テレビとで外国語の勉強を続けている?
いやいや、彼は既にマルチリンガルだからそんな事は必要ないだろう。
国際的に有名な大学の大学院教育をインターネットで受けている?
しかし、一体何の科目を?
動体視力の維持にバッティングセンターに定期的に通っているのかも知れない。
本人が聴いたら一笑に附されそうな内容ばかりだろう。
実際のところは彼が何をどう実践しているのかは全く判らない。
私の中では、謎のままである。
「人生百年時代」と言うフレーズが当然のように行き交っている。
確かに50年前と比較すると「老人」の感覚が随分と違ったものになって来てはいる。
「高齢者=老人」という等式が成り立たないヒトも増えて来ている。世界中で。
この半世紀の間に、特に先進国では人間を取り巻く環境が寿命の延長に繫がる様々な要件の中で大きな変化が観られているのは事実だろう。
「老化」という概念自体の見直しや再検証が為されて来るに違いないと考える。
ゴルゴ13は劇画という二次元の中の人物だが、三次元プラス時間経過という軸の中で常に変化している現代人にとって、仮に物理的、生物学的制約が種々在ったとしても寿命限界を延長して行くという傾向は今しばらくは続くに違いないと考える。
さて、自分はどのような高齢者で在ろうとしているのか、本格的な模索が始まった様な今日この頃である。