「冬が近づくと...」 村上 智明
2021年11月15日

ロバート・B・パーカーが亡くなってもう10年を過ぎた。冬が近づくと毎年この時期に出版されるスペンサーシリーズを楽しみにしていたことを思い出す。

海外の冒険小説でシリーズ化されているものは、毎年同じ時期に出版されることが多いように思っていたが、調べてみると必ずしもそうではないようだ。

複数のシリーズ物を持っている作家も少なくないのでもっともなことだ。ジェフリー・ディーバーのリンカーン・ライムシリーズを楽しみにしている方は多いと思う。

この作品は次々と押し寄せる大どんでん返しも読みどころの一つだが、ライムの推理の進め方は、医療現場における臨床推論と重なるところがあり非常に興味深い。

今年出版されたマーク・グリーニーのグレイマンシリーズ最新作"暗殺者の献身"はシリーズ最高傑作の呼び声が高い。

このシリーズは来年には映画化される模様である。

映画といえばトム・クルーズ主演で映画化された、リー・チャイルドのジャック・リーチャーシリーズがあるが、作品中のジャック・リーチャーとトム・クルーズのギャップには苦笑したファンも多かった。

律儀に毎年出版されている作品だが、邦訳の順番はバラバラで10年経っても邦訳されていない作品もある。国内にはファンが少ないのだろうか?

今年出版された"宿敵"2003年に書かれた作品で、あとの作品がすでに翻訳されており、時代としては戻ることになるが、リーチャーの若々しさがまた良い。これもまた名作である。

投稿者小児循環器部長 村上 智明
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