夜、子供たちを寝かす時、電気を全部消した後、時々韓国の昔話を聞かせたりしました。最近は昔話を聞かさないと、子供たちが眠ろうとしません。
その時に聞かせたりする韓国の昔話を紹介したいと思います。普段、子供たちには韓国語で話を聞かせてあげていますが、今回それを日本語で翻訳してみました。
「三年峠」
昔々、ある村に、高い峠が一つありました。
人々は、その峠を三年峠と呼びました。
この峠で転んでころころ転がるとその人は3年しか生きられないという伝説のせいでした。
ある日、腰の曲がったおじいさんが, 三年峠を恐る恐る越えて行きました。
転ぶか、転ばないか、とても気をつけて。
一歩一歩踏み出しているおじいさんの前に、うさぎ一匹がぴょんぴょん跳んで来ていました。
驚いたおじいさんはうさぎにぶつからないように避けようとしたが、後ろにばったり倒れて、坂道をころころ転がってしまいました。
「ああ、ワシははもう死ぬんだ。」
おじいさんは、地面をたたきながらわあわあと泣きました。
しばらくそうしているうちに、いつの間にか日が沈んで、おじいさんは力なく家に帰って来ました。
そしておばあさんにこう言いました。
「おばあさん、ワシはもう三年しか生きられないんだ。」
「三年峠で転んでしまった。」
一日一日を生きることの意味がなくなったおじいさんは病んでいきました。。
このうわさを聞いた隣の家の子供がおじいさんを訪ねて来ました。
「あっ, おじいさん、何をそんなに心配するんですか。」
「私がおじいさんが長く住める方法を知っています。」
「さあ、早く起きて、3年峠に行きましょう。」というと、おじいさんは、
「いや、お前のような子供が? そしてそこにはまたなぜ行くの?
「おじいさん、そこに行ってまた転ばないと」
「何だって, また転ばせって? もっと早く死ねというのかよ。」
おじいさんがとても怒りました。
「おじいさん、一度転んだら三年生きるという事ですから、二度転んだら六年ですし、三度転んだら九年じゃないですか。」
おじいさんは子供の言葉に膝をポンと打ちながら言いました。
「ああ, そうだ。すぐに行こう」。
その後、おじいさんは三年峠の上で何度もごろごろ転んだのかも分かりません。
時間が経って3年が過ぎたある日のことです。
おじいさんは三年峠を越えている途中、石につまずいてまた転びました。
「ほほう、もう50回転んだから、これから150年も生きられるね。」
三年峠でごろごろ転がったおかげか、おじいさんは本当に長く暮らしたそうです。
私たちも「三年峠」の話みたいに現在の「コロナの峠」をいつかきっとのりこえるのでしょう。