NST便り2016.11月号
2019年06月04日

すっかり寒くなり,インフルエンザの流行がささやかれている今日この頃,いかがお過ごしでしょうか?
この度は,9月に行われた「誤嚥性肺炎の予防とケア」という研修会の中で,大阪大学の野原幹司先生と,神戸大学の石川 朗先生のお話の中から学んだことをお話しいたします.

<誤嚥性肺炎とは...>
「誤嚥性肺炎」は,「誤嚥」を繰り返すことで起こる肺炎のことをいいます.「誤嚥」とは簡単に言うと唾液や食物が誤って気管に入り,むせることを言います.しかし,誤嚥が,必ず肺炎になるというわけではありません.
では,どうして肺炎になってしまうのでしょうか?2つの大きな要因が考えられ
ています.

1.体力・抵抗力・免疫力の低下,誤嚥したものを咳払いして喀出する力があるかどうか
→ 体力・抵抗力・免疫力が低下することは,肺炎だけでなく,様々な疾患や感染症にかかりやすくなります.
咳払いで,むせたものを喀出する力があることは大切で,喀出する力が弱いと,いつまでも気管や咽頭に異物が残り,窒息してしまう可能性もあります.

2.誤嚥したものの内容,量,性状はどうか
→ 誤嚥するものは,内容と量も重要ですが,"質"がどうかということが更に問題となります.それは,誤って気管に入ってしまった唾液や食物の汚染状況がどうかということです.
口腔内の汚染,歯周病の有無など,様々な細菌に汚染された誤嚥物が気管に入り込んで,肺炎を引き起こしてしまうことがとても重要です.

まとめると...
誤嚥は唾液や食物が誤って気管に入り,むせること.しかし,むせたからと言って必ず肺炎になるわけではなく,むせたものの内容,量に加え,むせたものの汚染状態(細菌の多寡),喀出する力があるかということが誤嚥性肺炎を引き起こす要因であるということです.

<誤嚥性肺炎の予防するためには...>
これからのインフルエンザ流行期には,肺炎・誤嚥性肺炎の発症も多くなってきます.
予防策としてうがい,手洗いをおこなうことはもちろんですが,誤嚥性肺炎は口腔内の清潔を保つことで,重症化を防ぎ,早期回復につながります.
この冬を,うがい・手洗い・口腔内の清潔を保つことで,元気に過ごせるように,ご自愛ください.

投稿者ICU看護師 高橋 美和子