NST便り2015.3月号
2019年05月27日

医薬品の経腸栄養剤について

<栄養素についておさらい>
三大栄養素とは,炭水化物(糖質),脂質,タンパク質のことで,エネルギー量はそれぞれ4 kcal/g,9 kcal/g,4 kcal/gとなります.摂取するエネルギーのバランスは炭水化物(糖質) 55?60%,たんぱく質15?20%,脂質20?25%位が良いとされています.これにミネラル,ビタミンが加わると五大栄養素と呼ばれます.これらをバランスよく摂取することが病気の予防にもつながります.

<医薬品の経腸栄養剤>
医薬品の経腸栄養剤は,窒素源の違いにより(消化が必要か,必要ないか)『消化態栄養剤』,『半消化態栄養剤』に分けられます.消化態栄養剤のなかでも窒素源が合成アミノ酸から構成されているものは『成分栄養剤』と呼ばれます.当院では「アミノレバンEN潤・v,「エレンタール潤・v,「ラコール潤・v,「エンシュア・リキッド潤・vという医薬品が採用されています.

・消化態栄養剤:当院に採用はありませんが,「ツインライン潤・vが有名です.消化が必要ないのはもちろんですが,吸収されやすく低残渣が特徴です.

・成分栄養剤:当院では「エレンタール潤・vが該当します.糖質はデキストリン,窒素源はアミノ酸で構成されており,脂肪をほとんど含まず,ほとんど消化を必要としません.

・半消化態栄養剤:当院では「アミノレバンEN潤・v,「ラコール潤・v,「エンシュア・リキッド潤・vが該当します.アミノレバンEN潤・ヘ肝機能が低下している人のために分岐鎖アミノ酸が主成分となっています.また,これらは成分栄養剤と違って消化を必要とします.


最近,半消化態栄養剤の「エネーボ潤・vという医薬品が発売になりました.エネーボ潤・ノは従来の半消化栄養剤になかった食物繊維やフラクトオリゴ糖,クロム・モリブテン・セレンなどの微量元素,カルニチンが配合されており,下痢が少なく,免疫力の低下を防ぐといわれています.
経腸栄養剤には適切な栄養素が配合されており,香りや味も色々とありますので幅広く選択できるようになってきています.

投稿者薬剤師 後藤 圭介
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