NST便り2023.7月号
2023年07月03日

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<リハビリテーション栄養について>

 リハビリテーション栄養についての勉強会が5月にアボットジャパン合同会社のスタッフにより行われました。今回は勉強会に参加できなかった方々向けに簡単に内容をまとめてみました。

リハビリテーション栄養とは『国際生活機能分類(ICF)による全人的評価と栄養管理・サルコペニア・栄養素摂取の過不足の有無と原因の評価、診断、ゴール設定を行ったうえで、障害者やフレイル高齢者の栄養状態・サルコペニア・栄養素摂取・フレイルを改善し、機能・活動・参加、QOLを最大限高める「リハからみた栄養管理」や「栄養からみたリハ」である』と定義されています。スポーツ選手で例えると、サッカー選手はサッカーに必要なトレーニングと食事メニューがあり、野球選手には野球に必要なトレーニングと食事メニューがあります。スポーツ選手は試合で勝つための最大限のパフォーマンスを目標としますが、

リハビリテーション栄養は疾患を有する方、高齢者に対して、もう少し複雑で、かつ明確な目標を設定し、下の図のように、その都度評価していきます。

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この目標設定の過程を「リハビリ栄養ケアプロセス」と呼びます。図の中の『SMART』というのは「具体的・測定可能・到達可能・切実・重要・明確な期限」の英語の頭文字を取って付けられた名称です。

具体例を挙げますと「2週間後食事と付加食品で1600Kcal摂取が可能になる。」や「一か月後食事と付加食品の摂取で体重が1kg増加する。」などです。下線で示したように、明確な期限があって、内容が具体的で測定可能な目標を掲げています。

日本リハビリテーション栄養学会では、現在、エビデンスに基づいた代表的な疾患ごとのケアプロセスを作成中とのことなので、早く臨床の現場で活用できるよう私たちも勉強を続けたいと思います。

興味のある方は「日本リハビリテーション栄養学会」ホームページを覗いてみてください。

〈参考文献〉

アボット合同会社Nutrition Support Specialist Review Vol.13

日本リハビリテーション学会ホームページ

(今回は薬剤部 岡部幸男が担当いたしました) 

  NST(栄養サポートチーム)

投稿者薬剤部 岡部幸男
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