「キレンジャク」 宮城 登
2021年06月07日

私の家の前の通りには、街路樹としてナナカマドが植えられている。

ナナカマドは秋になると真っ赤な実を大量に実らせるが、数年前までは春になるとその実は地面に落下し、歩行者に踏まれて歩道を染めていた。しかし、最近年を越すとナナカマドの実が、ある日突然消失するようになった。どうやら小鳥が早朝にやって来て、食べてしまうようなのである。

ある年、冬の休日の午前中、家の窓から外を何気なく見ていたら、突然鳥の鳴き声と羽音が一面に鳴り響き、数千羽、数万羽もの小鳥の大群が舞い降りてナナカマドの木にとりつき、ナナカマドの実を食べつくして、数分の間に木を丸裸にして去って行く光景をみて唖然とした。まるでヒッチコックの映画『鳥』の場面の様だった。

すぐにネットで調べ、その鳥が『黄連雀』キレンジャクという雀の仲間の渡り鳥であることを知った。

ちなみにこの鳥が。旭川市の「市の鳥」でもあると知ったのもその時である。

それ以来我が家の周囲は渡りのコースに含まれたようで毎年1月になるとキレンジャクの群れが現れナナカマドの実を食べつくすようになった。

投稿者整形外科部長 宮城 登
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