- HOME
- ブログ
- コメディカルリレーエッセー
- 「瞬間的な100年」 佐竹 秀幸
先日読んだ本、とはいっても10年以上前に発刊されたものだが、有名な科学者ホーキング博士の話に興味を持ったので紹介したい。
ある講演会でのやり取りである。「地球ほどの文明を持つ星は宇宙にいくつくらいあるだろう」との問いに、博士は「200万ほど」と答えている。数百万ではなく、200万というところに何かしら根拠がありそうで、リアリティを感じる。
そして「なぜ、それだけ多くの星があるのに地球に宇宙人はやってこないのか」との問いに、「地球ほどの文明を保有すると、その星は自らの正当な循環を狂わせ環境を破壊し、内面的に不安定な状況に至り宇宙の時間で考える瞬間的に自滅してしまう」と答えています。
さらに問い、「瞬間的にとはどれくらいの期間を指すのか」に対して、「100年」と。
地球が誕生して46億年と言われ、宇宙単位でみると100年など瞬間的なことというのは改めて考えさせられるものがある。
私はよくラジオを聴くのだが、ある時、普段は冗談の絶えないパーソナリティがいきなり真面目になり、自分は運命論者とかではないと前置きした上で、「最近のコロナや地球温暖化などの現象は、これ以上の文明の発達により環境破壊を進めることは許さないとの神のお告げに感じる」と言っていた。現在の地球温暖化といわれるものが正当な循環を狂わすほどのものではないことを祈るばかりである。
悲観的なことを書きたかったわけではなく、事実は壮大な舞台で起きてる事象だけども、個々の観点からみると人生は長く、各々が主役である。限られた時間ではあるが、時には、ぼんやり過ごす時間も必要だと思う。寝る暇を惜しんで、何かに没頭するのもいいだろう。瞬間的な人生だからこそ、1分1秒を大切にしながら、メリハリをつけて、有意義な時間を少しでも長く過ごしたいものである。