「アメリカ腎臓学会」 荒木 真
2023年06月12日

 ここ数年、アメリカ腎臓学会での臨床研究発表を軸に据えて1年を過ごしてきました。この学会は、腎臓疾患に関する最新の研究や知見を共有する場であり、腎臓内科にとって非常に重要な存在です。この年になると、宿題も試験もないため、負荷をかける意味ではちょうど良い課題と言えます。

 運が良いことに、このところは連続して採択されていますが、これは病院が研究に対して理解を示し、手厚くサポートしてくれるおかげです。研究には時間とエネルギーが必要ですが、このサポートがあるからこそ、やれているのだと思います。今年も冬から春にかけてアイデアを練り上げ、データ収集を行い、結果をまとめ、その抄録を5月に提出しました。8月になり採択されたことが通知されれば、11月に発表します。本当はそれを論文化するところまで行かなければならないのですが、今のところはnegativeな結果が多くむずかしい、というのが残念なところです。

 また、積極的な参加によって、現状の医療上の課題が自分の中に明確に浮かび上がってくることを実感することができます。さらに、論文化される前の最新の知見に触れることで、新たな視点を得ることも可能です。私にとっては、まさに筋トレのような存在であり、すぐには目に見える成果が現れないかもしれませんが、謙虚に取り組み続けることで将来的には役に立つだろうと思っています。

投稿者腎臓内科部長 荒木 真
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