そして父になる
2013年09月24日
テレビのインタビュー番組に、最近話題の映画「そして父になる」(公式サイト)を撮った、是枝裕和監督が出ていました。
是枝監督の映画は家族がテーマになっていて、ありふれた日常の中のひりひりした感情を表現するのを得意としています。「誰も知らない」「歩けども歩けども」など、子供がいかにも「演技している」という風には感じさせない演出で、カメラを意識していなさそうな演技がかえって「うまいな?この子」と思わせる映画になっています。
インタビューで監督は、「子役には台本(セリフ)は用意してない」と言っていました。その時の芝居の流れで、子供が発する言葉にまかせる、のだそうです。映画の本筋からそれなければ、子供の考えるままでいいということなのでしょう。その分、大人の役者には反射力が求められるのだとか。
それは子供をできるだけ自然な姿で撮りたいからだそうです。台本通りにきっちり読まれると、子供本来の姿が失われるからなのでしょう。
「ではその子供がどんな言葉を発するか、心配ではないですか?」と聞かれたときに監督は、「いえ、大丈夫です。よく観察して、対話して、この子に何ができるかわかれば、それを引き出すだけですから」ということをサラッと言ったので私はハッとしました。
スタッフをよく観察し、よく対話して、この人に何ができてどこが素晴らしいか、をよく知っているリーダーは、スタッフをあたたかく育てるのでスタッフも安心して自分の持ち味を発揮することができます。そうして育てられたスタッフは患者さんをよく観察し、対話をしてよいケアをする人に育っていくのです。
是枝監督の言葉はよい看護師を育てることに通じるものがありました。看護もそうですが、学校でも家庭でも、人を育てるのはみな同じですね。
投稿者前看護部長 工藤 昭子
カレンダー
カテゴリー