健康のためにサプリメントをはじめとする健康食品を愛用されている方はけっこういらっしゃると思います。しかし、これらの製品の一部には安全性や法律を無視したものがあるのです。今日はその一例をご報告します。
2023年4月12日に花粉症に効果があると販売されていた健康茶に医療に使われるステロイドが混入(意図的に添加された?)されていると報告が発表されました。ステロイドは炎症やアレルギーのお薬として使われるものですので、花粉症に効果があるわけです。普通の量のお茶を飲むだけでお茶に含まれる有効成分が花粉症に効果を示すことはなかなか難しいのですがこのお茶はとっても花粉症に効果を示したんでしょう。
しかしながら、ステロイドというお薬は医師が慎重に用法容量を考えて患者さまへ処方するわけですから、健康食品やふつうのお茶として量を考えずに摂取すると大変なことが起きてしまうので、医療者としては非常に恐ろしい商品です。
実際に体の中で何が起こるかというと、まず、ステロイドを長期間多量に投与し続けると本来体内で産生されるステロイドホルモン(以後わかりやすいようにホルモンと表現します)が摂取したステロイドの分だけ作られなくなります(医学的に負のフィードバックといいます)。その状態で急にこのお茶を止めると体の中ではホルモンが減った状態でお茶のステロイドもなくなるという二重苦が始まります。そしてこのステロイドという物質は体に重要な役割を果たすのでホルモンとして分泌しているわけですので最悪生命にかかわる危険な状態にもなってしまう可能性もあります。
しっかりと安全性の確認されていない健康食品と称されている製品にはこのようにリスクの大きい製品もありますのでみなさんご注意ください。
※個人の見解です。
こちらは国民生活センターからのご案内です