「学会発表」 東 直樹
2019年12月09日

昭和63年3月に医学部を卒業して、30年以上経過した。珍しい一症例や症例を集めて検討して、年数回のペースの割合で学会にて発表してきた。

最初のころ、上司(いわゆる上級医)と相談しながら、発表の予行をして、問題点や想定される質問に対して、討論を重ねて答えを準備する。ただ、時折問題症例に対する質問の答えを用意することが難しい場合がある。

20年前の症例である。症例そのものは珍しいのであるが、問題点があった。

発表の予行練習中のことである。

「E先生、症例そのものはいいですが、手術の選択の点で、質問されたら困る点があります?」

「うーん、まあ大丈夫でないか?」とE先生。

「でも、T病院のM先生は必ずそこを突いてきますよ。」と私がいうと、

「その発表演題の座長はわたしだから、困ったらこっちを見ろ。助け船を出して、フォローするから」とE先生。

「そうですか・・?」と(不安な)私。

「大丈夫、大丈夫。」とE先生。

発表本番である。発表演者は私、座長はE先生。発表後、T病院のM先生から、予想通りの質問がきた。答えは用意されていない。

ちらっと座長のE先生を見た。

私に見られたE先生、さっと視線をそらして、反対側の向こうを見た。

(やられた!!!)

仕方がないので、もしかのために用意していた苦し紛れの返答で逃げ切る。質問したM先生、しぶしぶ了承した。

終了後、

「出来、質問の答え、よかったじゃないか!」とE先生。

「え?(見捨てたくせに)。」

「大丈夫、大丈夫。OK。」とE先生。

(どこが大丈夫なのだろうか?)

という感じで、研鑽(?)を積みかさねて、相変わらず発表しています。今となれば楽しい(?)思い出です。

投稿者:消化器内科部長 東 直樹