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専門外来のご紹介

当院では小児鼠径ヘルニアの手術治療に力を入れています。最近他の疾患でも行われている腹腔鏡手術を導入しております。

鼠径ヘルニアとは俗にいう「脱腸」です。赤ちゃんやこどもでは、20~50人に1人に発生するとされています。

人間のおなかが作られるときにおなかの底に腹膜の落とし穴(袋)ができます。多くの子供は落とし穴(袋)が自然にふさがりますが、開いたままになっていると、腹圧によっておなかの中の腸や女の子では卵巣が落ち込んで、足のつけねや男の子の陰嚢がふくらむ脱腸をおこします。腸や卵巣がスムーズに出入りしている間は違和感や痛みはありませんが、はまりこんで抜けなくなってしまう嵌頓(かんとん)という状態をおこすと痛みや嘔吐を起こすほか腸や卵巣の血流障害の危険性もありますので、一般にヘルニアが発見されたら早めの手術が必要です。

手術は全身麻酔下に、おなかの底にあいたヘルニアの落とし穴(袋)を結んで閉じる方法で行います。

従来の鼠径法

鼠径部のヘルニアの入り口の真上の皮膚を20-25mm程切開し、腹膜でできた落とし穴(袋)を引き出し、これを切断して根元を結んで閉じる方法です。この手術は身体への負担が少なく、安全で確実な方法として確立しており、創も比較的目立たなくなる、現在でも標準的な手術として推奨できる方法です。片側の場合手術時間は30-40分程度です。

腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(LPEC法)

近年腹腔下手術が普及しており、希望される方に腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(LPEC法)を行っています。 この手術はおなかを炭酸ガスで膨らませて、腹腔鏡で観察しながら専用の針でヘルニアの落とし穴の周りに糸を回し、その糸を結んでヘルニアの入り口を閉じてしまう方法です。腹腔鏡を入れるためのおへそと細い手術器具(鉗子)を入れるための小さなきずが2カ所必要ですが、鼠径部のヘルニアの部分には注射針の穴だけで、きずあとが目立たず、さらに両側のヘルニアが同時に手術できるというメリットもあります。従来法と同様に体への負担は少なく、いくつかの施設からの報告では、従来の皮膚を切開して行う方法と再発などの治療成績に違いは認められていません。 片側の場合手術時間は40-60分程度です。

  従来法 LPEC法
利点
  • 歴史が古く多数の患児に行われてきた
  • 安全かつ成績が安定している
  • 手術時間が短い
  • 手術のキズが非常に小さい
  • 反対側のヘルニアの有無を観察でき、ヘルニアがあれば同時に手術できる
欠点
  • キズがLPECよりは大きい
  • 反対側のヘルニアの有無が観察できないため、術後反対側のヘルニア発生率が5〜10%
  • 手術時間が従来法よりは長い
  • 開腹手術の既往があり腹腔内に癒着がある場合は難しく従来法に移行することがある
  • 腹腔内臓器損傷の可能性が若干ある