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「スリランカのカレーを食す」 杉浦 千尋

投稿日時:2017年6月12日 09:32 月曜日

スリランカへは口腔がん予防プロジェクトのため、年に2回ほど訪問するようになって15年近く経ちました。ただ夜中に到着してその朝には移動、検診と始まり、帰国当日の午前中まで検診は続き、夜中の便で帰国するというタイトなスケジュールのため、訪問回数は多くても、観光地のことは余りよく判りません。ただ、場所は何処であれ、食事はしないわけにはいかず、スリランカのカレーはよく食べています。正しくは、カレーしか食べていません。日本ではカレーライスかライスカレーかで話題になることがありますが、スリランカではライス・アンド・カレーと呼んでいます。

スリランカのカレーと言えば、スープカレーと思っている方も多いのではないかと思いますが、実際は随分とバリエーションがあります。まず、メイン(炭水化物)となるものでは、お米、粉物、麺等あります。米(ご飯)だけでも白米、赤米、匂い米と色々と種類があり、その料理の仕方も、普通に水で炊いたもの、ココナッツミルクで炊いたもの、ブリアーニといってインド風のピラフのようなものといろいろあります。粉物ではクレープ風のホッパー、その真ん中に卵の入ったエッグホッパー、小麦粉の鉄板焼き風ロティ、タミール風ドーサ。麺風では米粉をそうめん風にしたストリングホッパー、変り種としてはマカロニ、食パンもカレーで食べることがあります。

カレーの具は混ぜて料理されることはなく、1種類のみで、それを複数混ぜて食べることになります。具の種類はチキン(骨付きぶつ切り)、チキンレバー、ビーフ(硬い)、フィッシュ(煮干し、鯖のぶつ切り、モルディブフィッシュ(鰹節)、鰹のぶつ切り、その他川魚、何でも)、海老、ジャガイモ、インゲン、オクラ、ドラムスティック(モリンガの実)、ジャックフルーツ、ニンニク、ダール(レンズ豆)、カンクン(空芯菜)等ほとんどなんでもありです。具も違えば、ベースとなる香辛料もそれぞれで違うため、これが朝昼晩と3食続いても飽きることはありません。

こんな具合に毎食消費していくわけですから、日本のカレーのように煮込んで一晩寝かしておくということはありません。
それに必ずつく付けあわせが、玉ねぎ、ライム、唐辛子を和えたカッタ・サンボル(鰹節フレークの和え物)やポル・サンボル(ココナツフレークの和え物)。さらにおまけにパパダン(餃子の皮のから揚げ風)やから揚げ唐辛子がつくこともある。

カレーは小ぶりの容器に入って出てきて、スプーンが添えられています。これらをを平らなプレートに盛ったメイン食材の上にかけて、それを右手でお好みに合わせて混ぜて食べることになります。

現地の人たちを見ていると、チキンの骨も魚の骨も器用に右手の指だけを使用して選別除去し、本当によく捏ねてから食べています。そんな現地の人たちが綺麗に上手に食べるのには秘密があります。それは比率です。スープカレーですから、山盛りのご飯(メイン)に本当にスプーン2・3杯程度を加えるだけです。それを3,4種類。日本の感覚でカレーの比率を上げると、ただでさえパサパサなご飯がスープでさらにパラパラになってしまい、上手に指先でまとめられません。基本的にメインの炭水化物をたくさん食べるためで、カレーはあくまでも和えるため、香りをつける程度にして、とにかく捏ねることがコツのようです。ですから、食べ終わった後のお皿の上にはカレー(スープ)が残ることなく、指の跡が残るだけです。現地ではテーブルクロスが敷かれ、ナイフ、フォークが出てくるようなレストランでも現地の人は素手で食べています。旅行者でも素手で食べれば、現地の人たちとの距離感は一気に近くなります。

日本人はお寿司は手で食べるのが当たり前で抵抗感はないと思いますが、カレーを手で食べるとなると、意外とハードルが高く感じるのではないでしょうか。
皆さんも一度思い切って、自宅で右手だけで食べてみてください。慣れてくると、カレー屋さんに行っても、手で食べたくなるかもしれません。

投稿者:歯科口腔外科部長 杉浦 千尋