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投稿日時:2009年6月30日 16:16 火曜日

私が旭川医大を卒業し、旭川医大放射線科に入局したのは1995年です。放射線診断学という学問と旭川医大放射線科の医局、両方に魅力、未来を感じて、この道を選択しました。とはいえ、旭川医大放射線科は他科に比べて小さな講座で、医局員も非常に少なく、いわゆる関連病院もなく、自分自身の将来にまったく不安がなかったわけではありません。どのようにして放射線科医としてスキルアップしキャリアを積んでいくのか、どうすれば他の診療科の先生あるいは一般病院から必要とされる放射線科医になれるのか、そんなことばかり考えていたように思います。当時の放射線科の研修システムは、最初の1年間で、診断部門6ヶ月、核医学部門3ヶ月、放射線治療部門3ヶ月、2年目は自分の専門分野の研修とおおまかなスケジュールはあったものの、とくに研修目標、到達目標などは設定されず、その分、興味をもったことや将来必要になるであろう知識や技術などをある程度自分のペースで自由に学べる環境でした。今振り返って思うと、ノルマ達成やレポート提出が苦手な私にとってこのスタイルの研修は自分に合っていたように思われます。そんな中で、教授・医局長にお願いして2年目の研修のうち3ヶ月間は、麻酔科で研修させていただきました。いわゆる呼吸・循環管理の初歩を学ぶのが目的でしたが、それだけではなく、手術場に入って、自分たちが診断してきたCTやMRIなどの所見が実際にはどのような肉眼形態をしているのかを目の当たりにすることかでき、その後の画像診断・読影に際してもイメージが付けやすくなり、非常に貴重な経験になりました。また、まったく異なる診療科での研修は、その科の知識が得られただけでなく、自分が所属している放射線科あるいは放射線診断学を外部から見直すいい機会でもありました。
それから十数年が経過して、いつのまにか自分が指導する立場になり、そのなかでレジデントの先生から画像に関する質問を受けることがあります。一枚の画像を穴があくほどながめて、一つ一つの所見から一生懸命答えを導き出そうとするその姿は、日々の日常業務に追われて、つい忘れがちな画像診断の基本中の基本を思い起こさせてくれます。何年経験を積んで知識が増えても基本だけは忘れないよう、レジデントの先生をみては、そう思います。

投稿者:放射線科部長 片田 竜司