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「27年後」 吉原 聡

投稿日時:2018年8月1日 12:50 水曜日

その瞬間、キーパー松永は一歩も動けず、試合終了のホイッスルを聞いたラモス瑠偉は芝にへたりこんで神様とつぶやき、交代してベンチにいたゴン中山は人目をはばからず、両手で顔を覆い泣き崩れました。
ドーハの悲劇は学生の頃友人宅で体験しました。ワールドカップ初出場が閉ざされた悲劇は当時、日本のサッカーに携わる人に暗い影を落としました。自分自身にも無気力が襲い、数日引きずった記憶があります。
あれから25年、VARなどの最新テクノロジーを駆使した今大会、ベルギーと繰り広げられた、文字通りの死闘は階上で寝息を立てている妻と二人の息子に気を使いながら、控えめに観戦しました。

ベスト16の壁はまた突破できませんでしたが、ワールドカップ初出場が叶わなかった25年前とくらべて、ベスト8の扉のドアノブに手をかけ、もしやと期待を抱かせてくれた日本サッカーの着実な歩みに感慨を覚えるとともに、テクノロジーの進化でロボットがキックオフの笛を吹くワールドカップが行われるのは、そう遠い未来ではないと、また別の感想も抱きました。

AI、ビッグデータ、自動運転、RPA、深層学習等、これらの単語が社会にすっかり浸透している現在、私達の生活は様々なテクノロジーに支えられ、それはまた爆発的なスピードで進化しています。25年前に、インターネットとカメラと財布と翻訳機とフラッシュライトと音楽プレイヤーが手のひらサイズの端末ですべて可能となることを誰が予測したでしょうか。

アメリカのカーツワイル博士は著名な発明家でシンギュラリタリアンのひとりです。彼は2045年に人類はシンギュラリティと遭遇すると予言しています。シンギュラリティを「AIが人類を超える日」と認識されている方が多いと思います。和訳すると「技術的特異点」というそうで、技術の進歩が爆発的な加速度で上がり続けることを意味します。縦軸に技術の進歩、横軸に時間を示したグラフがあったとして、緩やかに右へ上がっていた曲線がシンギュラリティを境に縦へ垂直に伸びるイメージです。人類は遥か昔から石器を作り、火を操り、狩猟をはじめ、農耕を営み、(現在と比べて)ゆっくりと技術を歩ませてきました。産業革命で馬が蒸気機関に変わったように、IT革命でインターネットが急速に普及、高度な情報の時代が到来しました。そしてそれらのテクノロジーは今この瞬間にも、収穫加速の法則のもと、爆発的な進化をしています。「人間が想像できることは、人間が必ず実現できる」とSF作家のジュール・ヴェルヌがいったとか、言わなかったとか。カーツワイル博士はシンギュラリティが訪れると、どんな事が起こるか予測がつかないとも予言しています。

汎用型AIが普及し、機械が富を無限に生み続け、人類が不老と不労を手に入れたとき、ワールドカップでボールを蹴る選手はどういう思いでピッチに立っているのか。個人的には2045年の到来を興味深く、そして楽観的に待ちたいと思います。

投稿者:総務課長 吉原 聡